■パラグライダーを始めるきっかけとその魅力

■ プロフィール
2020、2022パラグライディングアキュラシー女子日本選手権者

■ ホームエリア・スクール
パラグライダースクール弓立卒業
現在はスカイ朝霧妙義スカイパーク丹沢スカイクラブのメンバー

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就職して友人と何か楽しいことに挑戦しようと選んだのが空を飛べるパラグライダーでした。小さな頃から飛行機が好きで、乗れるとなると何日も前からワクワクしていたのも影響しているのかも。
このスポーツは団体競技のように他人の中で埋もれるのではなく自分でどう動くかを決めて、それが自分のフライトに返ってくる。良かった結果を100パーセント自分で受け止められる。
空中では常に1人。けれど1人ではできないスポーツ。送迎をしてくれた人、翼を広げてくれた人、エリアの管理者さん、「ありがとう」と言わない日はないです。だから、1人のようで1人ではない。
パイロット証を取得してから久しいですが、今では、大会(草大会も)、遠征などでいろんなエリアに行くのがとても楽しいです。初めて行ったエリアなら、飛べた時はぶっ飛び(注1)でも感激です。国内・海外、まだまだ未経験のエリアがあるので、エリアデビューの数を増やしていきたいと思っています。雄大なエリアも楽しいですが、知名度の低いマニアックなエリアもまた楽しいです。


奄美大島で青い海の上を飛ぶ

現在は、ランディング(着地場)に置いてあるパッド(的)(注2)の中心を目指して降りる「アキュラシー」という競技にハマっています。また、J2(注3)リーグでレースを楽しみ、クロカン(注4)シーズンには少しでも自己記録を伸ばすべく挑戦しています。ここ数年は、スキルアップしてより安全なパイロットになるために、奄美大島でミニパラでのグラハン(注5)レッスンも受けたり、フランスのアヌシーでSIV(注6)のトレーニングも受けました。これらの全ての経験は、どれも刺激的で自分の成長が感じられました。またその時の充実感は最高でした。
とにかく飛ぶのが好きです。そしてテイクオフが好き。何度やってもテイクオフの瞬間は感動します。
パラグライダーをやるために仕事を続けていられる。そして仕事を続けていられるからまた飛びに出かけられる。そして何よりもパラグライダーを通してたくさんの友達ができたこと。疲れていても、良さそうなコンディションでなくても友達に会えると思うとやっぱりエリアへ向かってしまいます。
パラグライダーの楽しみ方は無限です。浅くても広く成長を続けたいと思っています。

 

■アキュラシーを始めたきっかけ
アキュラシーという競技は、パッドの中心は0点で、中心から1cm遠ざかる毎に1点が加算されます。フライトを繰り返して点数を合計し、点数が少ないほど上位になります。また、中心の近くに降りても転んでしまっては、ペナルティとして一番大きな点、1000点が付いてしまいます。トップ選手は毎回中心から数センチ以内に降ります。しかしそれはトップ選手ならではで、多くの選手は数メートル、何度も参加している選手でも10メートル以上離れてしまうことも多いです。
このアキュラシーの公式戦に出始めたきっかけは、同じように的を目指して降りる競技の草大会で、たまたま優勝した時に「アキュラシーという公式戦があるので挑戦してみたら?」と勧められたからです。
そして、初の公式大会でまぐれにもパッドを踏むことができました。また、例え一本の結果が悪くても、公式戦では何本もフライトして総合で決めるので、次のラウンドで挽回できるという楽しさにハマりました。
もちろん多くのフライヤーと違わず高く上がることは好きですが、私がパラグライダーで一番好きな瞬間はテイクオフです。足が離れ空中へと飛び立つ瞬間。これが好きだから、何度も練習を重ねられると思います。ぶっ飛びが好きとは言い切れませんが、スクール生時代から「ぶっ飛び上等!!」の精神は続いています。

 アキュラシー大会でパッドを踏んだ瞬間

 

■アキュラシーに興味あるパイロットへ
アキュラシーをするのに、特別な機材は必要ありません。スクール入校時に揃えた機材でOKです。機体・ハーネス(注7)は初心者用のもので十分。むしろスピードが出やすい上級者用はcm単位を狙うアキュラシー向きではないです。(できないわけではありませんが … )
まだまだ自分のスキルが高いとは言えませんが、私からアドバイスするとすれば、他人の得点に動じず自分のフライトに集中すること。欲を出して無理にブレーキを掛けすぎたり、足を伸ばし過ぎて転んでしまったりしないような自制心を持てること。長時間飛ぶのではなく練習を含め一日に何度も飛ぶことを楽しめること。
アキュラシーは10代から70代まで同じフィールドでハンデなく闘えます。やることはスクールで最初に習った飛び立って降りること。誰でもできるのでぜひ皆さんも挑戦してみてください。

 

■ 今後の抱負
目指すは日本選手権者と年間リーグ1位に返り咲き。どちらもとても価値あるものです。ここ最近は表彰台から遠ざかっているので、「練習は裏切らない」をもう一度胸に刻み精進します。
私が始めた頃は参加した女子選手が少なく規定の5人に満たなかったため、女子優勝したのに女子日本選手権者として認められないという時代がありました。最近は女子も増えてきて毎回切磋琢磨できる状況になってきました。ですから、パラグライディング人口、アキュラシー人口、女子フライヤーをもっともっと増やしていきたいです。アキュラシーの初心者用に、競技規定のルールブックを噛み砕いた初心者用ハンドブックも自作してみました。 → 初心者用ハンドブックはこちらから
微力ではあますが、ちょっとでも興味を持ってくれた人には、魅力を伝えて宣伝しています。これからも私の大好きなパラグライダーが、もっと多くの人に楽しんでもらえるように、私なりにできることをしていこうと思っています。

 

 


(注1)ぶっ飛び:テイクオフから離陸して一度も高度を上げることができずにそのまま、ランディングしてしまうこと
(注2)パッド:中心から16センチメートル以内に降りると自動で測定され、電光掲示板に点数が表示される ↓ 
それ以上はメジャーで計測する
(注3)J2リーグ:JHFパラグライディング競技委員会が公認するパラグライディングのクロスカントリー競技の中級者対象リーグ、JHFのパラグライダーパイロット技能証取得者対象、日本各地のフライトエリアで開催 → JHFパラグライディング競技委員会
(注4)クロカン:(クロスカントリーフライト)フライトエリアで高度を稼ぎ上昇気流を乗り継ぎながら、そのエリアから出て長距離飛行をしてエリアの着陸場に戻ってくる、或いは、目指した場所まで飛行すること
(注5)グラハン:(グランドハンドリング)地上で行うパラグライダーの立ち上げや頭上安定、方向転換などの操縦とその練習
(注6)SIV:(Simulation d'Incidents en Vol 飛行中に起きる異常な動きをシミュレーション)突発的、急激な気流の変化などによるパラグライダーの潰れや失速など異常な状態に対処できるための知識や技術を習得するため、湖の上空でインストラクターの指示でわざとパラグライダーを潰したり失速させたりした後に正常な動作に戻す操作のトレーニング
(注7)ハーネス:パイロットをグライダーからカラビナを介して吊り下げて固定・保護するための機材 → GEARを語れ ハーネス編

(2025年1月)

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