〔A〕総則 |
1. 責任 |
フライトは選手の責任において行うこと。 |
2. 運用限界の遵守 |
参加選手は使用する機体の運用限界を遵守すること。 |
3. 使用機体 |
(ア)使用機体はシリアル機のみとする。シリアル機とは、CIVL あるいはJHF の認めた認証機関が認定証を発行した機体および認定証を発行された機体と同型機でサイズの違う機体で、どちらも改造されていないものを言う。
(イ)使用機体を大会開始後に変更することはできない。万が一使用機体が破損した場合は、大会競技委員長の許可を得て変更することができる。 |
4. 航空法 |
参加選手は航空法に基づき飛行すること。 |
5. アクシデントとその救助 |
参加選手は、アクシデントを起こした場合は即座に主催者に連絡しなければならない。連絡がなく救助が出た場合、救助の要請があった場合を含め、その救助費用は選手又はその家族が負担する。(ヘリコプターの要請費用を含む)
なお、アクシデントを目撃したパイロットは可能な限りアクシデントの情報(内容については35.項参照)を大会主催者に伝えること。 |
6. 保護用具の使用 |
参加選手は、安全なヘルメット、6ヶ月以内にリパックされたレスキューパラシュートを大会期間中装備しなければならない。 |
7. 使用靴 |
あらゆる風の状況下で安全にランディング出来るものでなければならず、使用している靴のかかととつま先はランディングの自動測定装置に損傷を与えない材質と形で出来ていなければならない。 |
8. 健康管理 |
(ア)心身ともに良好でない場合はフライトしてはならない。
(イ)フライトに支障をきたす薬物やアルコールを摂取してのフライトをしてはならない。 |
9. 衝突回避 |
(ア)参加選手は空中接触しないよう十分に他機警戒に努め、フライトしなければならない。
(イ)空中接触をした選手は、グライダーに構造上の問題が発生した場合すぐに飛行を取りやめること。 |
10. 雲中飛行 |
(ア)雲中飛行は禁止とされ、競技役員、他の選手によって監視される。
(イ)雲中飛行とは、グライダーの一部又はパイロットが雲により、第三者からの視界から消えたときのことを言う。
(ウ)多くの選手が雲中飛行をした場合、競技委員長は競技を中止する場合がある。 |
11. バラスト |
選手は、水又は砂のバラストを使用することができる。バラストを投棄する場合は、他の選手、第三者に迷惑のかからない範囲で行うこと。 |
12. 通信機器 |
選手に有利な情報、例えばターゲットでの天候状況などを通信機器を使用して取得してはならない。 |
13. セーフティーコミッティーとその役割 |
セーフティーコミッティーは、選手から3名選考される。セーフティコミッティーはテイクオフ周辺を含めて飛行コース上が危険なコンディションになったときに、大会競技委員長にそれを連絡する。大会競技委員長はその情報を基にラウンドを続行するかどうかを決めなければならない。ただしラウンドを含めフライトを続行するかどうかの最終的な判断は飛行中のパイロット個人が下す。 |
14. ブリーフィング |
ブリーフィングにはジェネラルブリーフィングとラウンドブリ−フィングがある。 |
14.-1 ジェネラルブリーフィング |
参加選手は、大会主催者が行うジュネラルブリーフィングに参加しなければならない。その重要なインフォメーションは、公式掲示板に掲示される。 |
14.-2 ラウンドブリーフィング |
ラウンドブリーフイングは気象情報、エリア地図を使用して、参加選手全員に対して行われる。 |
15. 結果の表示 |
(ア)結果の仮発表は、ラウンド終了後、可能な限り早く掲示する。
(イ)仮発表は次のラウンドが開始される前に行わなければならない。ただし、24.リフライトの項にしたがってリフライトが認められた場合は、その限りではない。
(ウ)仮発表後30分以内(最終日は10分以内)にコンプレインの申し立てを行う。
(エ)すべてのコンプレイン、抗議(プロテスト)を受け付け、結果訂正後、大会競技委員長の確認を受け結果の正式発表とする。 |
16. 不服申立て(コンプレイン) |
コンプレインは訂正してもらうことが目的であり、抗議(プロテスト)を行うものではない。競技中何かに不満を持った場合、先ず担当役員にその処置につき援助を依頼する。その処置に不満がある場合、選手は競技委員長又はその指定する役員にコンプレインを行うことができる。このコンプレインは不満があった場合直ちに行い、迅速に処理しなければならない。仮発表に対するコンプレインは発表後30分以内(最終日は10分以内)に行わなければならない。 |
17. ペナルティーおよび失格 |
競技委員長は、競技者が競技規則に違反した場合、違反者にペナルティーを科すことができる。
(ア)ペナルティーの程度。
@ 重大な違反はそのラウンドに対し最大得点を与える。
A スポーツ精神に反する行為は、大会失格とする。
(イ)ペナルティーは、当該ペナルティーが科せられた日の結果表に記載される。 |
18. 抗議(プロテスト) |
(ア)16.及び17.項に関する処置に対して抗議がある場合は、出来るだけ、当該ラウンドの次のラウンド開始前に行わなくてはならない。
(イ)抗議は、当該事由発生後30分以内(最終日は10分以内)に供託金1万円を添えて、書面で大会競技委員長に提出しなければならない。
(ウ)供託金は、抗議が認められた場合は返却され、認められなかった場合は没収される。 |
〔B〕細則 |
19. ラウンド飛行 |
競技コースはブリーフィングで指定された方向に向かってフライトすること。ソアリングして滞空時間を稼いではならない。 |
20. テイクオフの間隔 |
パイロットは条件に応じてファイナルアプローチからランディングにかけて選手同士が適度に離れるように一定の間隔を置いてテイクオフする。 |
21. スタート方法 |
(ア)第1ラウンドは、くじ引きで決めた順番でテイクオフする。
(イ)第2ラウンド以降は、ラウンド開始時点のランキングの順番とは逆の順序でテイクオフする。ラウンドごとにスタート順が変わるため、フライトを終了した選手は速やかにテイクオフへ移動すること。最終日については、あるラウンド終了が14時00分以降であった場合、その次のラウンドが最終ラウンドになる。 |
22. テイクオフ |
ア)選手はテイクオフ進行係からの事前の許可がない限りスタート方法に基づいて公表された順番にフライトしなければならない。
(イ)テイクオフ進行係に前に出るように言われたときに、公表されている順番通りにテイクオフする準備が出来ていない選手あるいはテイクオフ進行係の許可を得ずにテイクオフした選手にはそのラウンドのフライト点数に代えて最大点のペナルティーを科せられる。 |
23. リフライト |
リフライトは下記の理由の場合のみに認められる。
(ア)選手がランディングポイントに接触する前30 秒間に風速が規定の速度を超えた場合、選手には自動的にリフライト権が与えられる。選手はそのフライト点数を受け入れるかリフライトするかを選ぶことが出来る。どちらかの決定は直ちに行わなければならない。
(イ)選手がファイナルアプローチ中にターゲットが見えずターゲットにランディングしようとしなかった場合。選手はランディングするときに障害物を指摘(指し示すか叫ぶ)することが出来る。
(ウ)審判団が何らかの理由で正確な点数に同意できない場合。ターゲット場の審判員(審判長、測定審判三人、前方・後方審判)の間で二人以上が最初の着地点に関して同意出来なかった場合、そのパイロットは自動的にリフライトが許可される。
(エ)空中にいる他の選手をさけて安全なフライトをするために飛行プランを変更し、ターゲットにランディングしようとしなかった場合。
(オ)外部からの重大な妨害が入り、選手のターゲットアプローチに明らかな悪影響を与えた場合。
(カ)技術的な問題または異常な条件に関連して地上の審判がそのフライトをターゲットアプローチに不適切と判断した場合。これには選手のプレフライトチェックの不備によるものでない装備の不良(コントロールラインの損傷またはフライト中に発生した大きなタックなど)、またはパイロットがターゲットに届かない、または適切なファイナルアプローチをするには不十分な高度となるほどの急激な沈下が含まれる。リフライトはパイロットがターゲットに向かってフライトしなかった場合に許可される。選手は採点簿に署名する前にターゲットの大会審判に申し入れることによってのみ、論争となったフライトの後にリフライトすることを要望することが出来る。選手は他の人(審判長および大会審判を除く)と話をする前に記録担当審判にリフライトの申請をしなければならない。リフライトが認められた時点で選手の問題のフライトの点数は取り消される。リフライトが許可された場合は競技委員長の裁量により、そのラウンド中または次のラウンドの前にリフライトを行う。リフライトが認められずパイロットが採点に署名しない場合は不服申し立てと判断され、不服申し立ての示された時間を記録しパイロットに通達する。 |
24. 他のパイロットとの間隔 |
フライト中のパイロットはターゲットへの安全で障害のないランディングを確保するために異なる高度でお互いに間隔を保つこと。ターゲット上の低い高度での追い越しは禁止とし最大点のペナルティーの対象となる。これは危険なフライト行為とみなされる。(30
項) |
25. ターゲット接近禁止の合図 |
安全面上ターゲットから離れてフライトするよう空中のパイロットに正式に知らせる場合はランディング測定フィールドの一人または複数の審判が赤い信号旗をはっきりと振ることによってその合図とする。 |
26. ファイナルアプローチの定義 |
選手がターゲットに機首を向け、大会審判がその選手はターゲットに向かってファイナルアプローチに入ると決心し大きく方向転換する必要がないとみなした時点でその選手のファイナルアプローチが開始されたと判断する。選手がその位置から更に大きな操作を行ったとしてもその判断は変わらない。 |
27. 風速制限 |
競技点数採点のために許可される最大風速は6.0m/秒とする。競技フライト中に風速が6.0m/秒を超えると思われる場合は風速が十分に収まるまで競技は中断される。なお、測定不可能な上層域の風は考慮に入れない。 |
28. ターゲットの障害物 |
選手はファイナルアプローチの際にはターゲットの完全な視界が約束される。 |
29. アウトランディング |
ターゲットエリアから外れてランディングしたパイロットは速やかに審判チームに報告しなければならない。そうしなかった場合リフライトの要求は無効となる。 |
30. ペナルティー |
(ア)雲中飛行を行った選手には、そのラウンドに対し最大点を与える。
(イ)危険行為と判断された選手には、そのラウンドに対し最大点を与える。 |
31. 大会、ラウンドの成立条件 |
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31.-1 ラウンドの成立条件 |
有効なラウンドとして認められるためには参加選手全員がそのラウンドで最低一回のフライトを行う機会を与えられなければならない。ラウンドが完了したときにのみ(即ち全選手が点数あるいは罰則を受け取ったとき)そのラウンドの結果が得点として採用される。ラウンドの途中で中断された場合、そのラウンドは中断したところから再開する。 |
31.-2 大会の成立条件 |
ラウンドが1本成立した時点でPAJLとして大会は成立する。
ラウンドが2本成立した時点で日本選手権として成立する。 |
31.-3 ラウンド数 |
本大会の最高ラウンド数は6ラウンドとする。 |
32. 優勝者 |
もっとも低い総合点を取得したパイロットが優勝者となる |
33. タスクボードへの記載事項 |
a) 一般:日付、大会名、ラウンド本数。
b)タスク内容:ゲートオープン時刻、ラウンドテイクオフ順。
c)安全に関する情報:ランディング報告用電話番号、大会本部の電話番号。 |
34. パイロットの救助 |
選手は、ランディングしたらすぐにグライダーを絞らなければならない。グライダーを開いたままにしておくということは、”救助の要請”を意味する。
アクシデントを確認した選手は、至急ランディングし、次に挙げる要領で、できるだけ早く大会本部に報告する。
(ア)自分のゼッケン番号。
(イ)アクシデントの発生場所。
(ウ)位置の特定。
(エ)アクシデントを起こした選手の名前、パイロットナンバー。
(オ)アクシデントを起こしたパラグライダーの色、種類など。
タスクを放棄して、救助を行った選手には、その救助の内容を大会競技委員長が判断し、リフライトの権利が選手に与えられる。 |
35. 採点方法 |
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35.-1 ランディングの成功 |
ランディングの成功とは、次の2項を同時に満たす場合とする。
(ア)測定フィールド内に、最初に靴裏で接地すること。ただし、アクセル、フットバーを除外する。
(イ)キャノピーが接地するよりも先に、選手の靴裏以外の体の一部あるいは装備が、測定フィールド内に接地しないこと。ここでの装備には、アクセル、フットバーを除外する。 |
35.-2 ランディング地点 |
ランディング地点とは、最初に接地した靴裏の1点とする。ただし、片足裏全面で最初に接地した場合は、片足裏全面、両足裏全面同時接地の場合は、両足裏全面、両足裏の部分が左右同時接地の場合は、同時接地した両足裏の部分となり、足跡のターゲットから最も遠い場所をランディング地点とする。 |
35.-3 得点 |
(ア)ランディング地点から、ターゲットの中心円の端との距離を、センチメートル単位で測定し、その距離を1センチメートル=1点で換算し、それが得点となる(注:センチメートル未満は切り上げて整数とする)。ランディング地点がターゲット中心円上であれば、得点は0点となる。
(イ)ランディングの成功以外の得点は最大点となり、それは測定フィールドの半径の寸法である。測定フィールドの半径は10m(1000cm)である。 |
36. 大会得点 |
選手の大会での得点は成立したラウンドの得点すべての合計点とする。5 回以上のラウンドが成立した場合、最悪の得点(1 個)は除かれる。 |
36.-1 同得点 |
大会での最終成績で上位3 人に同点があった場合、2人(あるいは全員)がタイブレイクのフライトを行う。 |
37. 採点の記録 |
フライトしなかったパイロットはDNF と採点表に記載される。失格となったパイロットはDSQ と表記。共にそのフライトに対し最大点を与える。病気または事故により辞退あるいは大会失格となったパイロットは採点対象のグループまたはクラスのメンバーとしては扱われない。 |
38. 自動測定装置 |
15cmまでの点数が機械で自動測定される。選手は測定装置が作動するようにある程度の圧力をかけてランディングする必要がある。もし測定装置が作動しなかったりリセットされていなかったりした場合でも選手の最初の接地点がその上であった場合は、審判が公平かつ正確に測定できるという条件で、メジャーによって測定して採点を行っても良い。 |
39. 点数の確定 |
採点記録係はラウンド終了ごとに速やかに成績表(掲示日と時間を明記)をPROVISIONAL(暫定)と題して公式掲示板に掲示すること。異議申し立ては成績表掲示後ローカルルールで決められた時間内に行わなければならない。時間内に異議申し立てが成されなかった場合には、成績表はOFFICIAL(公式)のものとなる。 |