大きくは昨年度と変わりないが、ハンディキャップクラスは、昨年から5段階としたが、結果的には、スクラッチ上位の選手が、表彰台を独占する傾向があり、あまり上手くない選手でも上位入賞の機会が増えるようにとの目的が達成されなかった。そこで、ハンディキャップクラスの見直しをする。
|
|
(赤字は昨年からの変更箇所) |
|
1. 概要 |
1.1 FAI スポーティングコード |
|
・ パラグライディングアキュラシージャパンリーグ(以下PAJLと略す)の競技規定は、FAI Sporting Codeの General SectionとSection7を前提として設定されている。参加選手はその双方を良く理解した上で大会に参加すること。
・ PAJLルールとFAI Sporting Codeの間で疑義が生じた場合はPJLルールを優先する。
・ FAI General SectionとSection 7の間で疑義が生じた場合はGeneral Sectionを優先する。 |
1.2 開催期間 |
|
PAJLの年度は毎年1月1日に始まり、12月31日に終了する。(これは大会の成績の出る日で管理する)。 |
1.3 PAJLランキング |
|
PAJLランキングは、PAJL大会の総合順位および国際大会への日本チーム選手選考方法に詳述する国際大会の総合順位に対して与えられる点数のうち高いほうから3大会(ただし、少なくとも1大会はPAJL 大会とする)の点数を 合計してつけるランキングである。
このランキングには、次の3クラスがある。
a) スクラッチクラス:ハンディキャップを加味しない得点によるもの。
b) ハンディキャップクラス:ハンディキャップを加味した得点によるもの(ただし、過去5年間のスクラッチ年間ランキングの10位までに入賞したことのある選手は、このクラスの対象とならない)。
c) ルーキークラス:スクラッチクラスの中で、当該年度に初めてPAJLに登録した選手のみを抽出したもの(順位はスクラッチクラスの順位のまま不変とする)。 |
1.3.1 ハンディキャップ |
|
過去5年間におけるPAJLで成立した総ラウンドの平均点(小数点以下が出た場合は、切り上げて整数とする)から算出したハンディキャップ係数、および過去5年間の各年度におけるPAJLで成立した総ラウンドの平均点(小数点以下が出た場合は、切り上げて整数とする)から算出したハンディキャップ係数の内、最も不利となる数値係数をその選手のハンディキャップ係数とする(ただし、成立した総ラウンド数が3本未満の選手の場合は実績無しとする)。ハンディキャップは当年度中変わらないものとする。
平均点 |
ハンディキャップ係数 |
100点以下の選手 |
10 |
101〜200 |
5 |
201〜250 |
4 |
251〜500 |
2 |
501点以上(実績無しも含む) |
1 |
ハンディキャップを加味した得点は、スクラッチ得点にハンディキャップ係数をかけたものとする(小数点が出た場合は切り上げとする)。
例)前年度のPAJLで成立した総ラウンドの平均点が231点の選手が、あるPAJL大会のあるラウンドでのスクラッチ得点が517点であった場合、この選手のハンディキャップ得点は、517×(4)=2068となる。 |
1.4 参加資格 |
|
PAJLへの参加資格は次のものとする。
・有効なJHFフライヤー登録証を所持していること。
・JHFパラグライダーノービスパイロット技能証以上を所持していること。ただし、ノービスパイロットは大会参加に関し、技能証を発行した教員又は、通常フライトしているエリアの教員の参加承認が必要となる。 |
1.5 PAJLへの登録方法 |
|
PAJL参加希望者は、PG競技委員会のホームページからPAJL登録ページにアクセスし必要事項を送信する。また、 登録費を所定の口座に振込みをする。振込みが行われた時点以降の大会からポイントが有効となる。 |
1.6 保険加入 |
|
・各自の責任で、傷害保険に加入しておくことが望ましい。 |
1.7 PAJLランキングポイント計算式 |
|
各大会におけるポイントは次の通りとする。
PAJLポイント=N×(1+S/100)×R(小数点以下第2位を四捨五入し、第1位まで算出する)
ここで、N=-α√(本人順位-1)+(50-P)
α=(49-P)/√[{(成立したラウンドにおける参加人数累計)//(成立したラウンド本数)}X0.6-1]
P=20-(成立したラウンドにおける参加人数累計)//(成立したラウンド本数)≧0
S=(成立したラウンドに参加したシード選手のシード係数値(注1)の合計//成立したラウンド数)
Rは、成立したラウンド本数= 1のとき R = 0.25
成立したラウンド本数= 2のとき R = 0.60
成立したラウンド本数= 3のとき R = 0.90
成立したラウンド本数≧ 4のとき R = 1.00
同順位が複数出た場合は同順位者を繰り下げた順位までの平均点とする。
(注1)Sの算出の基礎となるシード係数値は下記の通りとする。
前年度のポイントランキング |
1位〜10位 1名につき |
2 |
11位〜30位 1名につき |
1 |
当年度1月1日時点にCIVLのホームページに掲載されている WPRSランキング |
1位〜30位 1名につき |
3 |
ただし、WPRSランキングとPAJLランキングが重複した場合には、WPRSランキングを採用する。 |
1.8 リーグ表彰 |
|
スクラッチクラスおよびハンディキャップクラスの年間ランキングから総合の上位3名、女子の上位3名ならびにルーキークラスの上位3名を表彰する。 |
1.9 エントリーフィー |
|
PAJLエントリーフィーは年間¥2,000とする。 |
1.10 登録番号(ID番号) |
|
前年度PAJLスクラッチの1〜30位までの選手はその順位を当該年度におけるPAJL大会のID番号とする。それ以外はPAJL登録順の番号を当該年度の固定ID番号とする。 |
|
2. 大会開催規定 |
2.1 大会開催の申請 |
|
大会開催の申請には、所定の申請用紙、ローカルルール、エリア地図(5万分の1で予定されているテイクオフ、ランディングが記入されているもの)を大会エントリー締め切り2ケ月前までにJHF事務局に提出すること。電子データがある場合は電子データでの提出でもよい。 |
2.2 救急に関する規定 |
|
事故が起きた場合に適切な処置が取れるよう事故対策マニュアルを作成しておく。 |
2.3 セレクション |
|
参加申込者の受理はPAJL登録選手を優先(実際のエントリーの合計がエントリー枠を超えなかった場合にのみ、空いた分をPAJL未登録者に開放)する(ただしPAJLに登録していない外国人選手は除く。またカテゴリー2の大会を除き、そのような外国人選手は別枠と考え、大会のエントリー受け入れ人数に含まれないものとする)。
参加申し込み者のうち、PAJLの登録選手の合計が大会のエントリー受け入れ人数を超えた場合は、まず、受け入れ人数の30%(小数点以下は切り上げる)を前年度の最終スクラッチポイントランキング上位から選出し、さらに30%(小数点以下は切り上げる)はPAJL大会参加回数の少ないものから優先的に選出(参加回数が同じ選手は30%を超えたとしても 全て選出する。ただし、エントリー受け入れ人数を超えない範囲とする)する。最終的に残った枠を選出されなかったもの全員から抽選により選出する。 |
2.4 大会期間 |
|
大会期間は連続した日とする。 |
2.5 参加人数 |
|
大会の選手受け入れ最小人数は30人とする。また受け入れ人数の10%(少数点以下を切り上げる)は女子の優先枠とする |
2.6 ローカルルール |
|
ローカルルールはJHF競技委員会の承認を得る必要がある。ローカルルールは参加選手に事前に広報される。
ローカルルールに明記しなければならない事項は;
・テイクオフの順番の決め方
・抗議提出の際に供託金が必要かどうか。また、必要な場合その金額。抗議の受け付け時間。 |
2.7 応募要綱 |
|
各大会主催者が提示する応募要綱に準ずる。 |
2.8 参加費用 |
|
参加費用では次の事柄がまかなわれる。
・エリアマップとローカルルール
・テイクオフとランディング間の送迎(ただし、リフト、ゴンドラなどを使用する場合は参加費用に含めないことも許される。そのような場合は開催要項にその旨明記しなければならない。また、かかる費用を明記すること。) |
2.9 ゼッケン番号 |
|
選手のゼッケン番号はID番号と同じとすることが望ましい(特に1〜30番まで)。
・ゼッケン番号は基本的に黒を用い、一文字縦60cm横30cm程度のものとする。
・ゼッケンは機体下面の中央、リーディングエッジ近辺に進行方向を上部とし、わかりやすく貼られること
・大会競技委員長はゼッケンに関する色その他の事項を変更することができる
・ゼッケン番号は分かり易いように選手のヘルメットにも貼られなければならない。 |
2.10 セーフティー・コミッティーとその役割 |
|
セーフティー・コミッティーは、選手から3名選考される。セーフティー・コミッティーはテイクオフ周辺を含めて飛行コース 上が危険なコンディションになったときに、大会競技委員長にそれを連絡する。大会競技委員長はその情報を基にラ ウンドを続行するかどうかを決めなければならない。ただしラウンドを含めフライトを続行するかどうかの最終的な判 断は飛行中の選手個人が下す。 |
2.11 大会競技委員長 |
|
大会競技委員長は、飛行中のセーフティー・コミッティーに状況の変化の確認をすることができる。 大会競技委員長は選手を兼任することができない。 |
2.12 ブリーフィング |
|
ブリーフィングにはジェネラル・ブリーフィングとラウンド・ブリ−フィングがある。 |
2.12.1 ジェネラル・ブリーフィング |
|
参加選手は、大会主催者が行うジュネラル・ブリーフィングに参加しなければならない。その重要なインフォメーショ ンは、公式掲示板に掲示される。 |
2.12.2 ラウンド・ブリーフィング |
|
ラウンド・ブリーフィングは、少なくも競技日ごとに最低1回、その日の最初のラウンドの前に、気象情報、エリア地図を使用してテイクオフエリア付近で、参加選手全員に対して行われる。 |
2.12.3 参加選手の責任 |
|
参加選手全員はブリーフィングの内容、タスクボードの記載事項に関して、正しく理解しなければならない。 |
2.13 結果の表示 |
|
・結果の仮発表は、ラウンド終了後、可能な限り早く掲示する
・仮発表は次のラウンドが開始される前に行わなければならない。ただし、4.6 リフライトにしたがってリフライトが認められた場合は、その限りではない。
・仮発表後ローカルルールに明記された時間内にコンプレインの申し立てを行う
・すべてのコンプレイン、抗議(プロテスト)を受け付け、結果訂正後、大会競技委員長の確認を受け結果の正式発表とする |
2.14 不服申立て(コンプレイン) |
|
コンプレインは訂正してもらうことが目的であり、抗議(プロテスト)を行うものではない。競技中何かに不満を持った 場合、先ず担当役員にその処置につき援助を依頼する。その処置に不満がある場合、選手は大会競技委員長又はその 指定する役員にコンプレインを行うことができる。このコンプレインは不満があった場合直ちに行い、迅速に処理しな ければならない。 |
2.15 ペナルティーおよび失格 |
|
大会競技委員長は、競技者が競技規則に違反した場合、違反者にペナルティーを科すことができる。
ペナルティーの程度
a)重大な違反はそのラウンドに対し最大得点を与える
b)スポーツ精神に反する行為は、大会失格とするペナルティーは、当該ペナルティーが科せられた日の結果表に記載される
|
2.16 抗議(プロテスト) |
|
・2.14、 2.15に関する処置に対して抗議がある場合はできるだけ、当該ラウンドの次のラウンド開始前に行わなくてはならない
・抗議は、ローカルルールに明記された時間内に書面で大会競技委員長に提出しなければならない
・供託金がある場合は、抗議が認められた場合は返却され、認められなかった場合は没収される |
2.17 陪審員 |
|
陪審員は、セーフティコミッティーおよび大会に居合わせたPG競技委員からなる。ただし、当該抗議に関わる人間は外れるものとする。 |
2.18 抗議の処理 |
|
大会競技委員長は、いかなる抗議も遅延なく陪審員に通知しなければならない。 |
2.19 審査 |
|
陪審はいかなる抗議についても、該当するFAI規則およびPAJL競技規則に基づいて、双方の意見を聴取する。 |
2.19.1 処罰と決定事項 |
|
大会競技委員長は、結果および審査の概要を、公表しなければならない。 |
2.20 表彰 |
|
大会では、スクラッチクラス、ハンディキャップクラス(過去5年間のスクラッチ年間ランキング10位までに入賞したことのある選手を除いた)それぞれの総合3位、女子3位ならびにルーキークラスの総合3位までを表彰する。 |
2.21 結果の送付 |
|
大会の結果は、JHF所定の大会報告書に、大会において提出された正式抗議と、それに対する処置を付記して、大会終了後3日以内にJHFに提出する。(大会順位表にPAJLに登録しているものがわかるように配慮すること) |
|
3 飛行と安全の規則 |
3.1 航空法 |
|
参加選手は航空法に基づき飛行すること。 |
3.2 運用限界 |
|
参加選手は使用機材の運用限界を遵守すること。 |
3.3 アクシデントとその救助 |
|
参加選手は、アクシデントを起こした場合は即座に主催者に連絡しなければならない。連絡がなく救助が出た場合、 救助の要請があった場合を含め、その救助費用は選手又はその家族が負担する。(ヘリコプターの要請費用を含む)
なお、アクシデントを目撃した選手は可能な限りアクシデントの情報(内容については4.17項参照)を大会主催者に伝えること。 |
3.4 保護用具の使用 |
|
参加選手は、安全なヘルメット、効果のあるレスキューパラシュート、ハーネスからのパイロット脱落防止装置を大会期間中装備しなければならない。 |
3.5 使用靴 |
|
あらゆる風の状況下で安全にランディング出来るものでなければならず、使用している靴のかかととつま先はランディングの自動測定装置に損傷を与えない材質と形で出来ていなければならない。 |
3.6 健康管理 |
|
・心身ともに良好でない場合はフライトしてはならない
・フライトに支障をきたす薬物やアルコールを摂取してのフライトをしてはならない |
3.7 衝突回避 |
|
・参加選手は空中接触しないよう十分に他機警戒に努め、フライトしなければならない。
・空中接触をした選手は、グライダーに構造上の問題が発生した場合すぐに飛行を取りやめること |
3.8 雲中飛行 |
|
・雲中飛行は禁止とされ、競技役員、他の選手によって監視される
・雲中飛行とは、グライダーの一部又はパイロットが雲により、第三者からの視界から消えたときのことを言う
・多くの選手が雲中飛行をした場合、大会競技委員長は競技を中止する場合がある |
3.9 バラスト |
|
選手は、水又は砂のバラストを使用することができる。バラストを投棄する場合は、他の選手、第三者に迷惑のかからない範囲で行うこと |
3.10 通信機器 |
|
飛行中は、電波法に基づき、無線機を使用すること。
通信機器は安全上の問題のみで使用すること。 選手に有利な情報、例えばターゲットでの天候状況などの伝達のために用いてはならない。 |
|
4 大会競技規定 |
4.1 使用機体の変更 |
|
使用機体を大会開始後に変更することはできない。万が一使用機体が破損した場合は、大会競技委員長の許可を得て変更することができる。 |
4.2 ラウンド飛行 |
|
競技コースはブリーフィングで指定された方向に向かってフライトすること。ソアリングして滞空時間を稼いではならない。 |
4.3 テイクオフの間隔 |
|
選手は条件に応じてファイナルアプローチからランディングにかけて選手同士が適度に離れるように一定の間隔を置いてテイクオフする。テイクオフした選手との間隔はおおむね1分半とする。 |
4.4 スタート方法 |
|
・予めくじ引きで決定された順番でテイクオフする
・
公認申請時に添付されたローカルルールに明記され、JHFPG競技委員会の承認を得たその他の方法
いずれの方法を採用するにしても最終ラウンドの開始が発表されたときには選手はその時点でのランキングの順番とは逆の順序でテイクオフしなければならない。 |
4.5 テイクオフ |
|
・選手はテイクオフ進行係からの事前の許可がない限りスタート方法に基づいて公表された順番にフライトしなければならない。
・
テイクオフ進行係に前に出るように言われたときに、公表されている順番通りにテイクオフする準備ができていない選手あるいはテイクオフ進行係の許可を得ずにテイクオフした選手にはそのラウンドのフライト点数に代えて最大点のペナルティーを科せられる。 |
4.6 リフライト |
|
リフライトは下記の理由の場合のみに認められる。
|
・選手がランディングポイントに接触する前30秒間に風速が規定の速度を超えた場合、ならびに風向が著しく変化してアプローチが難しくなったと審判が判断した場合、選手には自動的にリフライト権が与えられる。選手はそのフライト点数を受け入れるかリフライトするかを選ぶことができる。どちらかの決定は直ちに行わなければならない。 |
|
・選手がファイナルアプローチ中にターゲットが見えずターゲットにランディングしようとしなかった場合。選手はランディングするときに障害物を指摘(指し示すか叫ぶ)することができる。
|
|
・審判団が何らかの理由で正確な点数に同意できない場合。(7.2参照) |
|
・空中にいる他の選手をさけて安全なフライトをするために飛行プランを変更し、ターゲットにランディングしようとしなかった場合。 |
|
・外部からの重大な妨害が入り、選手のターゲットアプローチに明らかな悪影響を与えた場合。 |
|
・技術的な問題または異常な条件に関連して地上の審判がそのフライトをターゲットアプローチに不適切と判断した場合。これには選手のプレフライトチェックの不備によるものでない装備の不良(コントロールラインの損傷またはフライト中に発生した大きなタックなど)、または選手がターゲットに届かない、または適切なファイナルアプローチをするには不十分な高度となるほどの急激な沈下が含まれる。リフライトは選手がターゲットに向かってフライトしなかった場合に許可される。 |
選手は採点簿に署名する前にターゲットの審判に申し入れることによってのみ、論争となったフライトの後にリフライトすることを要望することができる。選手は他の人(審判長および大会審判を除く)と話をする前に記録担当審判にリフライトの申請をしなければならない。リフライトが認められた時点で選手の問題のフライトの点数は取り消される。リフライトが許可された場合は大会競技委員長の裁量により、そのラウンド中または次のラウンドの前にリフライトを行う。リフライトが認められず選手が採点に署名しない場合は不服申し立てと判断され、不服申し立ての示された時間を記録し選手に通達する。 |
4.7 他の選手との間隔 |
|
フライト中の選手はターゲットへの安全で障害のないランディングを確保するために異なる高度でお互いに間隔を保つこと。ターゲット上の低い高度での追い越しは禁止とし最大点のペナルティーの対象となる。 これは危険なフライト行為とみなされる。(2.15) |
4.8 ターゲット接近禁止の合図 |
|
安全面上ターゲットから離れてフライトするよう空中の選手に正式に知らせる場合はランディング測定フィールドの一人または複数の審判が赤い信号旗をはっきりと振ることによってその合図とする。 |
4.9 ファイナルアプローチの定義 |
|
選手がターゲットに機首を向け、大会審判がその選手はターゲットに向かってファイナルアプローチに入ると決心し大きく方向転換する必要がないとみなした時点でその選手のファイナルアプローチが開始されたと判断する。選手がその位置から更に大きな操作を行ったとしてもその判断は変わらない。 |
4.10 風速制限 |
|
ローカルルールに明記されている場合を除き、競技点数採点のために許可される最大風速は6.0m/秒とする。競技フライト中に風速が6.0m/秒を超えると思われる場合は風速が十分におさまるまで競技は中断される。なお、測定不可能な上層域の風は考慮に入れない。
|
4.11 ターゲットの障害物
|
|
選手はファイナルアプローチの際にはターゲットの完全な視界が約束される。 |
4.12 アウトランディング |
|
ターゲットエリアから外れてランディングした選手は速やかに審判チームに報告しなければならない。 そうしなかった場合リフライトの要求は無効となる。 |
4.13 ペナルティー |
|
・雲中飛行を行った選手には、そのラウンドに対し最大点を与える
・危険行為と判断された選手には、そのラウンドに対し最大点を与える |
4.14 大会、ラウンドの成立条件 |
4.14.1 ラウンドの成立条件
|
|
PAJL ラウンドとして認められるためには参加選手全員がそのラウンドで最低一回のフライトを行う機会を与えられなければならない。ラウンドが完了したときにのみ(即ち全選手が点数あるいは罰則を受け取ったとき)そのラウンドの結果が得点として採用される。ラウンドの途中で中断された場合、そのラウンドは中断したところから再開する。
|
4.14.2 大会の成立条件
|
|
ラウンドが1本成立した時点で大会は成立する。 |
4.15 優勝者
|
|
もっとも低い総合得点を取得した選手が優勝者となる。 |
4.16 タスクボードへの記載事項
|
|
・一般 :日付、大会名、ラウンド本数
・タスク内容 :ゲートオープン時刻、ラウンドテイクオフ順
・安全に関する情報:緊急用電話番号、大会本部の電話番号 |
4.17 選手の救助
|
|
選手は、ランディングしたらすぐにグライダーを絞らなければならない。グライダーを開いたままにしておくということ は、”救助の要請”を意味する
アクシデントを確認した選手は、次に挙げる要領で、無線を使ってできるだけ早く大会本部に報告しなければならない。
・自分のパイロットナンバー
・アクシデントの発生場所
・位置の特定
・アクシデントを起こした選手の名前、パイロットナンバー、パラグライダーの色、種類など
タスクを放棄して、救助を行った選手には、その救助の内容を大会競技委員長が判断し、リフライトの権利が選手に与えられる。
|
|
5 採点方法 |
5.1 ランディングの成功
|
|
ランディングの成功とは、次の2項を同時に満たす場合とする。
・測定フィールド内に最初に靴裏で接地すること。
・キャノピーが接地するよりも先に、選手の靴裏以外の体の一部あるいは装備が、測定フィールド内に接地しない場合。ここでの装備には、アクセル、フットバーまたは牽引索を除外する。 |
5.2 ランディング地点
|
|
ランディング地点とは、最初に接地した靴裏の1点とする。ただし、片足裏全面で最初に接地した場合は片足裏全面、両足裏全面同時接地の場合は両足裏全面、両足裏の部分が左右同時接地の場合は同時接地した両足裏の部分となり、足跡のターゲットから最も遠い場所をランディング地点とする。 |
5.3 得点
|
|
・ランディング地点から、ターゲットの中心円の端との距離を、センチメートル単位で測定し、その距離を1センチメートル=1点で換算し、それが得点となる。(注:センチメートル未満は切り上げ整数とする)
・ランディング地点がターゲット中心円上であれば、得点は0点となる。
・ランディングの成功以外の得点は最大点となり、それは測定フィールドの半径の寸法である。 |
5.4 大会得点
|
|
選手の大会での得点は成立したラウンドの得点すべての合計点とする。5回以上のラウンドが成立した場合、最も悪い得点(1 個)は除かれる。 |
5.5 同得点
|
|
大会での最終成績で上位3人に同点があった場合、2人(あるいは全員)がタイブレイクのフライトを行う。
ただし、気象条件および時間的制限により、タイブレイクのフライトを行うことが出来ない場合は、その大会で成立したあるラウンドでの得点が低いものが上位とする(3ラウンド成立した大会において、1位が15点で2名いた場合で、A選手が0+5+10=15、B選手が3+4+8=15であった場合、A選手が上位となる)。 |
5.6 採点の記録
|
|
フライトしなかった選手はDNF と採点表に記載される。失格となった選手はDSQ と表記。共にそのフライトに対し最大点を与える。病気または事故により辞退あるいは大会失格となった選手は採点対象のグループまたはクラスのメンバーとしては扱われない。 |
5.7 自動測定装置
|
|
最短15cmまでの点数は機械で自動測定される。選手は測定装置が作動するようにある程度の圧力をかけてランディングする必要がある。もし測定装置が作動しなかったりリセットされていなかったりした場合でも選手 の最初の接地点がその上であった場合は、審判が公平かつ正確に測定できると言う条件でメジャーによって測定して採点を行っても良い。 |
5.8 点数の確定
|
|
採点記録係はラウンド終了ごとに速やかに成績表(掲示日と時間を明記)をPROVISIONAL(暫定)と題して 公式掲示板に掲示すること。異議申し立ては成績表掲示後ローカルルールで決められた時間内に行わなければならない。時間内に異議申し立てが成されなかった場合には、成績表はOFFICIAL(公式)のものとなる。 |
|
6.
エリアおよび設備 |
6.1
ターゲット |
6.1.1
位置 |
|
ターゲットが設置される場所は全方向からのランディングが可能であることが望ましい。ターゲットをどこに設置するかは競技委員長の判断にゆだねられる。ターゲットの設置場所はラウンドごとに変えることが出来るがラウンドの途中では出来ない。
(ターゲット設置に際して:丘陵からのテイクオフの場合‐水平距離と高度差〔テイクオフからターゲット〕の比率は最大滑空率5:1とする。また、高度差の目安は無風状態で飛んだとして、滑空比7:1のグライダーがターゲット上空で対地高度が少なくも30mあることとする。ただし、大会がFAIカテゴリー2の場合は最小高度差は150mである。) |
6.1.2 測定装置 |
|
ターゲットの中心部は出来れば黒地に黄色で区別した直径3cmの中心円盤を持つ自動測定装置であるこ
とが望ましい。この測定装置は中心円から最低でも15cmの位置まで1cm以下刻みに測定可能でなければな らない。装置は頑丈な基盤の上に設置し測定フィールドの平面に出来る限り水平に固定されなければならな
い。 |
6.2 測定フィールド |
|
測定フィールドは選手の点数を確定出来るように平坦な場所とする。自動測定装置を中心にしてはっきりと
した円で表示する。その円は中心から半径0.5m、2.5m、5mおよび10mの位置に描くこと。 |
6.2.1
広さ |
|
測定フィールドの最小半径は10mとする。 |
6.2.2
構造 |
|
測定フィールドは審判がパイロットの最初の接地点を確認出来るような材質(草、砂、カーペット等)で出来
ていること。測定フィールドは平坦なところに位置しなければならない。 |
6.2.3
立ち入り制限 |
|
審判長または大会審判は関係競技役員のみが立ち入り出来る範囲を測定フィールドの周りに設置する(タ
ーゲットから少なくとも半径10mとする)。その境界線を表示すること。 |
6.3
風向表示 |
|
空中からよく見える吹流しをターゲット付近の地上から5m以上の位置に設置する。ただしランディングアプ
ローチの邪魔にならないように配慮すること。 |
6.4
風速記録計 |
|
風速測定センサーをターゲットから50m以内の地上から高さ5mから7mの位置に設置し風速を自動的に記録することが望ましい。それが難しい場合または自動風速測定器が故障した場合は最低でも地上2mの位置に設置された機械式の装置を使用しても良い。 |
7.審判チーム |
|
審判は選手の成績を観察、記録、測定する資格を持った役員である。審判はきわめて厳格な性格を有し公平で偏りのない決定を下すことが出来なければならない。 |
7.1
構成 |
|
理想的な審判チームは下記で構成される。できる限り以下の構成を満たすことが望まれる(日本選手権においては理想的な審判チームを構成しなければならない)。
・審判長
・測定審判三人
・後方審判
・前方審判
・記録係
・風速監視係
審判長を除く7 人に加えて少なくとも2 人の予備要員を任務の輪番または交代のために配置することが望
ましい。 |
7.1.1
測定審判の義務 |
|
測定審判チームは三人からなる。その中の一人を風上上に配置し、各々が測定フィールド内でお互い120
度の角度に位置するようにする。
・測定審判は選手の全ての接地点を観察し最初の接地点を確認すること。
・自動測定装置が作動せずしかも最初の接地点がその上であった場合審判が手作業で点数を測定する。
・もし最初の接地点が自動測定装置の外であっても測定フィールド内である場合はそのパイロットの着地点 として判断されるところに印をつけて測定する。
・最初の接地点が一つ以上あったと判断される場合、最も遠くのものを着地点として測定する。
・測定後、読み上げ担当として指名されているチームの一人が記録係に点数を読み上げる。点数は記録係 によって復唱される。 |
7.1.2
前方および後方審判 |
|
前方および後方審判は二人でチームを組み風上および風下で測定フィールドの外に位置すること。測定
審判により視界が妨げられる場合はやや左または右に移動すること。この審判の任務は選手の体の動きを観 察し選手の最初の接地点が左足か右足かあるいは両足によるものかを確認することである。また選手が失敗
したかどうかも判定する。 |
7.1.2.1
合図 |
|
前方および後方審判は判定結果を声で知らせるのではなく次に述べる合図で行う。
・片足の場合―左足ならば左腕、右足ならば右腕を自分の肩の高さで体に対して直角にまっすぐ伸ばす。
前方審判は選手の左か右に合わせるのではなく観察したとおりの側の腕で合図する。
・両足の場合‐両腕を腰の高さで体の前方に伸ばし手のひらを下に向けて全開する。
・失敗の場合‐左腕を頭上に。
・確認不能の場合‐両腕を手首の位置で交差して体の前にまっすぐ伸ばす。 |
7.1.3
記録係 |
|
記録係は測定審判が読み上げた選手の点数を復唱して公式採点記録表に記録する。点数には選手のサインを取ること。
記録係はラウンドの開始時刻、終了時刻、中断時刻を記録表に記載すること。 |
7.1.4
風速監視係 |
|
風速監視係は選手のランディング前30
秒間の風速を監視する。風が最高限度を超えた場合公式記録表 に記録すること。 |
7.1.5
審判長 |
|
審判長は審判チームのチームリーダーでありターゲットエリアでのスムースな運営に責任を持つ。またター
ゲットエリアでどの審判とでも交代することが出来る。また、選手と選手が空中およびファイナルアプローチに おいて接近しないようにする責任がある。
審判長は条件が危険なものになりそうだと判断した場合は競技委員長に競技を一時的に中断するよう提言
する。なお、最終判断は競技委員長が行う。 |
7.2
審判間で不一致が生じた場合 |
|
ターゲット場の審判員(審判長、測定審判三人、前方・後方審判)の間で二人以上が最初の着地点に関し
て同意出来なかった場合、そのパイロットは自動的にリフライトが許可される。 |
|
|
|