JHF ハンググライディング競技委員会

Pressure Altitude

気圧高度とGPS高度

スカイスポーツで用いられる高度には気圧高度とGPS高度がある。
気圧高度は測定誤差が少ない反面、場所や時間帯によって気圧が変化することによる影響を受ける。
一方でGPS高度は気象条件によらない反面、受信機のクロック誤差による誤差が大きく、その誤差は水平方向よりも鉛直方向で顕著になる。

国際標準大気(International Standard Atmosphere, ISA)

GPSバリオが記録する気圧高度情報はISAに基づいたものである。
ISAでは気圧と高度の相関関係が定められており、GPSバリオは気圧センサーで計測した気圧から、ISAに基づいて高度を算出し気圧高度として記録する。
つまり、GPSバリオに表示される気圧高度情報とGPSバリオに記録される気圧高度情報は必ずしも一致しない。

QNH

気圧高度は標準大気を仮定して気圧を高度に変換するため、大気環境の変動による影響を受ける。
この影響を補正するのがQNHである。
QNHは海抜高度を得るための規正値で、飛行場標高の気圧高度計が正しい海抜標高を指すよう規正されているとき、高度ゼロに対応する気圧として用いられる。

競技会におけるQNHの運用

重要なことは、全ての選手が共通のQNHを設定していること、また、そのQNHの高度補正をスコアリングに反映させることである。
運用の一例を以下に示す。
 -大会主催者はタスクブリーフィングの直前に複数のGPSバリオ(別メーカーが望ましい)を使ってそのタスクのQNHを求める。
  このとき、ウェイポイントファイルに定義されたテイクオフの高度情報(海抜)にGPSバリオの高度をセットしたときのQNHの値をそのタスクのQNHとする。
 -大会主催者はそのタスクのQNHの値をタスクボードに明記して選手に対してアナウンスする。
 -選手はQNHの値をアナウンスされた値に合わせる。もしくは、ウェイポイントファイルに定義されたテイクオフの高度情報(海抜)にGPSバリオの高度を合わせてもよい。

FSスコアリングによる高度補正

FSでは高度判定の方法について、QNHとGPSのどちらかを選ぶことができる。
QNHの場合は、そのタスクのQNHの値を設定することで、ISAの高度情報が補正されてスコアリングされる。

Appendix