[審査員 嘉納愛夏 Photographer]
記念すべき第10回フォトコンテストですが、最優秀・優秀賞が空席という苦渋の決断となりました。ただ、フライヤーではない方からの応募の割合が多く、一般の方からの関心を得られているのかな、と窺えました。 みなさんご存知の通り、写真というのはこの世に存在する物事の一瞬を切り取って見せるものです。 魅せるもの、と言い替えてもいいと思います。それは時に人間の一生を左右することもあるほど影響力のある芸術なのです。JHFフォトコンの場合は「空を飛んでみたい」と心が動くような写真が求められていると思います。 そのためには「はじめから狙って撮る」「狙ってないけどその状況下に偶然居合わせ一瞬の判断で狙って撮る」ことが必要です。ダイナミックな写真でも、ほんわかするアットホームな写真でも、それは同じ。 誰でも気軽にカメラやスマホを持っている現代では、ほとんどの人が漫然と被写体にレンズを向けますが、作品にしたいと思ったら、そんなことを思い出してもらいたいなと思います。 今回の入選作はそういった意味で「惜しい」作品たちです。ハングライダー、パラグライダーは偶然性・言ってみれば運に左右される要素が大きい被写体なので難しいと思いますが、またぜひ「狙って」撮っていただきたいです。幸運を祈ります! |
[審査員 山本直洋 Aerial Photographer]
JHFフォトコンテストも第10回を迎えることができました。 皆様のご応募本当にありがとうございます。フォトコンテストがはじまった時から審査員をさせていただいており、毎年どんな作品が見られるか楽しみにしております。 今回一通り応募作品を見させていただいて、最初に一番印象に残ったのは斉藤さんの「炎の富士を飛ぶ」でした。本当に富士山が燃えているかのような強烈なヴィジュアルです。望遠でこの瞬間を捉えるだけでも大変だと思いますが、さらにそこに飛んでいるパラグライダーが映っている。その時点でかなり希少な一枚となっているのですが、いかんせんパラグライダー の存在感が小さすぎる、という理由でJHFフォトコンテストとしては優秀賞として選ぶに至りませんでした。 ほかにも夕陽をバックに撮影した美しい作品がいくつかありましたが、どれもあと一歩優秀賞に届きませんでした。 今回残念ながら優秀賞、最優秀賞該当者無し、という結果にはなってしまいましたが、決して作品のクオリティが低いというわけではありません。すばらしい作品も多かったのですが、他と比べて一歩抜きん出ている、そてJHFフォトコンテストの趣旨と合っている、という作品がなかったためこのような結果となりました。
次回は美しいだけではなく、他と差別化できるような作品が増えることを期待しております。
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[JHF会長 安田英二郎]
フォトコンテストは、JHFが開催する以上はハンググライダーやパラグライダーの普及振興に役立つものであると同時に、写真コンテストなので写真としての完成度も求められます。今年は残念ながら最優秀・優秀賞作品は該当なしとなりましたが、場所や気象等の撮影タイミングをつかんだ作品が入選しました。風景を含めた写真作品としての完成度から見ると、どうしても写真に写るグライダーの大きさが小さめの作品が増えがちです。もっと大きくグライダーが写っていて、それを見た一般の方が、すごい、きれい、楽しそう、やってみたいと感じる様な写真で、そのうえ写真としての完成度が高い作品が増えるとベストです。また、子供やペットを画面に入れるとそれだけで可愛いとか楽しいという要素が写真に加わるので魅力が増えます。 入選を目指した作品以外にカレンダー向けに応募されたと思われる作品も見られますが、これはその月や季節を象徴するテーマを写しこんだうえでグライダーの魅力を伝えることが大切です。ハンググライダーは応募数が少ないのでいい作品をお待ちしています。 現在は印刷しなくても写真データで応募できますのでいい写真が撮れたら保存しておいて翌年の夏休みに忘れずに応募してください。 |