2018年のハング・パラグライディングの状況を見ると、パラグライディングのエポック・メイキングは、「アジア競技大会」のクロスカントリー種目で、男子チームが金メダル、女子チームが銀メダルを獲得したことです。同大会は、8〜9月にインドネシアで開催された総合競技大会で、日本オリンピック委員会(JOC)の派遣要請を受けて選手が参加したものです。
また、ハンググライディングでは、7月にマケドニアで開催された「ハンググライディング・クラス5世界選手権」において、日本チームが国別で第3位となりました。そのほか1月には、服部良亮氏がオーストラリアで直線距離393.7kmという、長距離飛行の日本新記録を樹立しました。
さらに国内では、JHF主催の日本選手権などの競技会を計画通りに実施し、各地域の自治体や団体が主催したフライト体験会などにも積極的に協力してきました。こうした世界大会などの競技会での好成績という結果や、各地域での子供たちを対象とした活動が、スカイ・スポーツの普及・啓発につながり、「空を飛ぶ」人口が増加することが期待されています。
しかしながら近年、JHFのフライヤー会員数は減少傾向が続いています。社会の少子・高齢化などの外的要因のほか、重大事故が後を絶たないことが、大きな要因と考えられます。そのため、事故の防止などの安全対策の推進は、従来から取り組んできた課題ですが、なかなか減少しないのが実情です。
特に2018年はタンデム・フライトによる重大事故が発生しました。そのためJHFの委員会では、タンデム技能証制度の改定にまで踏み込んだ検討が進められています。今後、同技能証制度の改定は、理事会で審議することとなります。
なお、従来から続けている「パイロット安全セミナー」「MPGパイロット安全セミナー」などを各地で実施したほか、新たにテイクオフ前の安全確認のため、「チェック5タグ」を配布して、注意喚起を行っています。
これらの安全性向上のための活動とともに、前述の競技会や体験会の事業は、各委員会や地域の正会員の方々、さらにフライヤー会員の皆さまのご理解とご協力により成り立っているもので、深く感謝しています。
新年も引き続き、国から認定を受けた公益社団法人として、設立目的の一つである「フライトの自由」を守るために、各種事業を展開してまいりますので、変わらぬご指導、ご鞭撻をお願いいたします。