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「2001年事故調査報告 -2-」
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平成14年6月3日
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安全性委員会委員長 城 涼一
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委員 後藤 望
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2001年度に於ける安全性委員会の事故調査活動は五件であった。2001年度の事故件数は25件、死亡事故は9件のうち今後の安全確保に最重要と思われる事例を、当委員会に配分された予算の制約の中で、調査した。事故を調査する上での基本的観点を、1機体に関する要因、2操縦に関する要因、3天候に関する要因、4その他に分けて設定し、調査を行った。以下事故調査結果の概要を述べる。 |
1 |
静岡での事例(PG) |
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調査日時: |
2001年7月10日 |
発生日時: |
2001年6月17日14時40分頃 |
発生場所: |
静岡県富士宮市根原朝霧エリアDKスカイジム朝霧 |
気象状況: |
南の風3〜4m(アゲインスト) |
雲底、DK400mテイクオフから100m程の比較的穏やかな天候 |
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事故者: |
男性57歳 P証訓練性(NP証を六カ月前に取得) |
装 備: |
機体 UPブギー |
脱落防止装置付きハーネス |
前掛け型レスキューパラシュート |
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事故状況: |
死亡 |
事故経過: |
事故時クロスハンドでのテイクオフでテイクオフディレクターからは事故者の前面部分(チェスト&レッグベルト)は見えず、テイクオフ後レッグベルト未装着に気づく、この時点では、レッグベルトのみの未装着と思いランデングへ誘導、その後ハーネスより脱落し死亡。 |
推定原因: |
ハーネスのベルトを全くロックしていなかった。 |
教 訓: |
高齢者の場合、「忘れやすい」という事に注意を払う必要がある。 |
前掛け型のレスキューパラの場合、ベルトの装着が隠される事に注意する必要がある。 |
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対 策: |
クロスチェックの徹底。 |
講習生の健康状況の把握を、より詳細に行なう。 |
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2 |
山形での事例( PG) |
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調査日時: |
2001年7月17・18日 |
発生日時: |
2001年6月12日13時頃 |
発生場所: |
山形県蔵王坊平 ザイラースキー場上部 |
気象状況: |
西の風2m程度(アゲインスト) |
高層雲白く、積雲無く薄日の穏やかな天候 |
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事故者: |
男性47歳 P証 タンデム証 飛行歴8年 |
装 備: |
機体 APCO ZEN |
事故状況: |
死亡 |
事故経過: |
目撃ではスムーズな離陸であったが、テイクオフより上昇したあたりで右翼潰れと瞬時の左翼潰れで落下した。 |
落下高度は15m位であった。 |
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推定原因: |
事故者は普段は中級機を使用しており、事故機に関しては安定した気流の時のみ使用していた。 |
事故機は購入後五年を経過しており、当初は経年変化によるラインの縮みでのアタックアングルの変化から来る失速を疑ったが、ラインの計測の結果、ラインの縮みは無かった。 |
通常使用している機体との操作感覚の違いから、操縦を誤り失速したものと推定される。 |
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教 訓: |
技量に合った機体の選定。 |
性格の違う機体を複数使用する時の留意。 |
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対 策: |
特に無し。 |
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3 |
岐阜での事例(PG) |
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調査日時: |
2002年1月18日 |
発生日時: |
2001年7月5日10時3〇分頃 |
発生場所: |
岐阜県揖斐郡池田町池田山エリア |
気象状況: |
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事故者: |
男性63歳 XC証 飛行歴6年 |
装 備: |
機体 Edel レスポンス |
ハーネス ファルホーク製の旧型ハーネス(脱落防止装置無し) |
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事故状況: |
死亡 |
事故経過: |
ハーネスからの脱落落下、落下時の高度は約100m。 |
一度スタート失敗して、三人の仲間で5m程引き上げて再スタートした。 |
テイクオフして10〜15分後にランディング上空で脱落落下した。 |
クロスチェックは指導されておらず、当日も実施していなかった。 |
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推定原因: |
レグベルトを装着しなかった。 |
教 訓: |
不明。 |
対 策: |
クロスチェックの指導教育の徹底。 |
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4 |
静岡での事例(事故調査)(PG) |
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調査日時: |
2002年1月14日 |
発生日時: |
2002年1月6日 |
発生場所: |
静岡県田方郡函南町丹那盆地 |
気象状況等 |
事故概要報告参照 |
事故経過: |
ソアリング中に当該空域が過密状態になり、PG同士が接触墜落した。 |
推定原因: |
他機警戒の不十分。 |
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