JAPAN HANG&PARAGLIDING FEDERATION
フライヤーサポートデスク・連盟からのお知らせ

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第9回JHFハングライダー・パラグライダーフォトコンテストにご応募ありがとうございました。
テーマの一つに「ハンググライダー、パラグライダーが中心となった写真で、一般の人の目を引きつける作品」ということもあり、会員以外の一般の方々からも広くご応募をいただきました。審査員による審査の結果、最優秀作、優秀作各1点、入選作4点が選出されました。最優秀賞作品と優秀賞作品は受賞者によるコメントとともに、JHFレポート239号に掲載しますのでご覧ください。

最優秀賞 優秀賞 入選 審査員総評

最優秀賞 「光の射す方へ」 深野達也 (岡山県玉野市王子が岳フライトエリア)
朝霧の大野城

 [審査員 嘉納]  今回の応募作品の中では頭二つくらい抜き出ていた印象でした。光と影のバランス、陰影のグラデーション、画面構成は文句なしで、太陽光が雲間から差して海面を照らす瞬間の「いいところ」でシャッターを切っています。ロケーションも瀬戸大橋としまなみ海道、四国山脈と本当に美しいですね。加えてパラグライダーのさりげない配置がちょうどいい。まるで鳥のようにも見えて二重の驚きを見るものに与えるでしょう。動的被写体は偶然の要素が強く、それがバランスよく配置されているのは神の采配でしょうか。また、プリントで応募していただいていたので、画質・データのクオリティの高さは一目瞭然でした。(データ応募かプリント応募かは選考の決め手にはなりませんが、今回この写真の持つデータ品質を証明するという意味においては非常に有効でした。)また素敵な作品を見せてください。最優秀賞、おめでとうございます!
 [審査員 山本]  とても綺麗な作品で、一番最初に目を惹かれました。こんな景色の中を飛んでいるパイロットはとても幸せな気分になっているんじゃないかと想像できます。遠くに映っている煙突の煙を見ると結構風が強いようなので、雲の動きは早く光の位置もどんどん変わっていたのではないでしょうか。一瞬の光の芸術を上手に捉えています。美しい景色の中をさりげなくパラグライダーが飛んでいる構図が良いのですが、JHFフォトコンテストとしてはもう少しパラグライダーが大きくわかりやすく映っていたら完璧でした笑。それでもプリントもしっかりされており写真作品としてのクオリティが高く、最優秀賞となりました。

優秀賞 「XC御釜」 富樫 岳 (宮城県&山形県蔵王連峰)
XC御釜

 [審査員 嘉納]  パッと見、雪のある高い山の上を飛んですごいなあ…という第一印象から、よく見たら蔵王の御釜やん?!と驚いた一枚です。蔵王の御釜には訪れたことがあり、その時は御釜の周辺でもものすごい強風が吹き荒れていました。10分も居られずほうほうの体で引き揚げた思い出があります。その上空となると風はさらに凄いのでは?と思ったのです。(もちろん天候にもよるとは思いますが)この写真には、頂上の真上でシャッターを切る努力、ちょうどいい角度で撮るタイミングなど、パラグライダー写真家ではない私でさえ目を閉じると疑似体験できるような臨場感と緊張感、そして感動があります。惜しむらくは、カメラを取り付けているスティックが写り込んでいること。一昔前は当たり前だったのが、デジタル技術の進化により360°カメラが現れ、撮影者には常識だったが撮影の知識のない一般人にとって謎だった「棒」が消え、芸術性が増したと言えます。しかし棒が写り込んでいるとはいえ、空撮セルフィ―でこれ以上の作品はありませんでした。昨今のデジタルカメラの進化の速度に機材の更新が追いつかないのは半分以上のプロカメラマンも同じだと言えますが、できれば高みを目指してほしいと思います。
 [審査員 山本]  パラグライダーをやっている方なら、エンジンを使わない普通の山飛びでここまで来る難易度を知っていると思います。さらにここで一脚を伸ばしてしっかりとお釜をバックに自撮りをする余裕があることからも、このパイロットのパラグライダー技術の高さを感じます。ただ一つ写真作品として残念なのは、自撮り棒が映ってしまっている範囲が広いためどうしても気になってしまいます。自撮り棒が映ってしまうのは仕方がないことなのですが、もう少しカメラの向きを調整してできるだけ映らない角度にするとか、もしくは360度カメラであれば自撮り棒が映らない撮り方もあります。写真の撮り方を気をつければさらに素晴らしい作品が撮れるようになると思います。

入選 「360 over the beacch」 Rick Neves (Oludeniz, Turkey)
巻雲
入選 「雲の影と波」 中村浩希 (静岡県東伊豆町伊豆フライトハウス)
これで仲間入り
入選 「月夜の夢」 中村正哉 (山口県岩国市高照寺山エリア)
幸せわんことパラグライダー
入選 「sailing day」 山内渉平 (長野県北アルプス涸沢カール)
飛蚊症

 [審査員 嘉納愛夏 Photographer]
kano前回より応募作品数は倍ほどに増え、大いに期待して審査に臨みました。しかしながら、蓋を開けてみれば平凡な作品が多く、工夫や意外性に富んだ(飛んだ?)作品はあまり見られませんでした。また、毎回あるのですが、同じ被写体を同じ角度・大きさで撮影した連続した写真を、決めきれなかったのか、何枚も送られる方がいます。気持ちはわかりますが双方にとって非常に無駄なんですね。「決める力」というのもカメラマンには求められるので、他人に選択を委ねている時点で「残念」なのです。付け加えて申しますと、そのような作品は選ばれたためしがありません。空撮写真を除いた構図で言えば、自分の目線からパチッと撮ったものが多かったのももったいなかったです。しゃがんだり、少しどこかに上ったり、見上げたり…または地を這う生き物の目線から、というような工夫をしてみるだけで表現の幅が広がることがわかります。空を飛ぶことがチャレンジなように、写真撮影にも果敢にチャレンジしてほしいと思います。入選作品については、ハンググライダー・パラグライダーならではのダイナミックな写真が順当に選ばれました。カレンダーの写真も季節感のあるものを選べて安心しました。ただ、先にも述べた意外性のある写真が一枚は欲しかったところです。
 [審査員 山本直洋 Aerial Photographer]
yamamoto 今回はJHF会員ではない一般の方からの応募も多く、コロナの影響で外出を自粛する方も減ってきているんだなと感じました。パラグライダーやハンググライダーをやっていない方にも興味を持ってもらいたい、というのもフォトコンテストの大きな目的なのでとても嬉しいことです。飛びながら撮影した写真でなくとも、パラグライダーやハンググライダーとわかるものがどこかに映っていれば大丈夫です。今回の最優秀賞もそうですが、やはり綺麗にプリントされた作品は選ばれやすくなります。今回は合成写真も入選しました。合成は写真作品と言えるのか?という意見もありますが、素材自体が写真であれば様々な表現があって良いと思います。常識にとらわれない面白い作品をお待ちしております!
 [JHF会長 安田英二郎]
yasudakaicho今回はフライヤーではない方からの応募が目立ちました。応募者の範囲が広がることは普及の観点から望ましいことですし新しい視点から撮影された写真は新鮮でもありました。さてJHFではインスタグラムに見られるように写真や動画を介した普及広報活動に力を入れていきたいと考えています。そこでフォトコンテストに応募するような作品ではなくて、普通の人が見たときに興味を引くような写真や動画(1分以内)を募集したいと思います。詳細が決まりましたらJHFトピックスでお知らせします。よろしくお願いします。



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