JAPAN HANG&PARAGLIDING FEDERATION
フライヤーサポートデスク・連盟からのお知らせ

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第7回JHFハングライダー・パラグライダーフォトコンテストにご応募ありがとうございました。
今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請の影響で、応募者数は前回までよりは少なくなりましたが、それでも多くの素晴らしい作品をおくっていただきました。審査員による熱のこもった審査が終了し、最優秀賞、優秀賞それぞれ1作品と入賞6作品が選出されましたので、ここに発表させていただきます。最優秀賞、優秀賞受賞者によるコメントをJHFレポート235号でご覧ください。

最優秀賞 優秀賞 入選 審査員総評

最優秀賞 「夜明けの空」 江端邦昭 (福井県坂井市)
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織り成す峰を見渡す風景に、霧と雲海が現れる絶好のタイミングで撮影された一枚です。朝陽の光線がまるで夢の中にいるような、想像の産物のような彩を添えています。この美しい風景を独り占めできる、自然の魔法を体感し、空を飛ぶことの素晴らしさを伝えてくれます。実際は撮影者が飛んでいるので独り占めではないのですが、それを忘れさせてくれるほど臨場感あふれる作品です。ところどころに見える光のラインや、手前の赤みを帯びた黄色からゴールド、グリーン、奥の紫がかった雲の自然なコントラストも芸術的。朝の冷えた空気や太陽が顔に当たる温度感・あたたか味も想像でき、見る人が旅をする気分になれると感じました。風景の切り取り方、被写体の配置もとても良いです。最後になりましたが、最優秀賞おめでとうございます。 [審査員 嘉納]
森から上がるモヤ、光、影、色、シルエットになった山々の連なり。 ぱっと見で美しいだけではなく、細部までしっかりと写っており素晴らしい作品です。グライダーに朝陽が当たっていることで飛んでいるモーターパラグライダーの存在感もしっかりと出ています。日の出前から準備をして薄暗いうちに離陸したのだと思いますが、飛んでいる間に陽が射してきてこのような景色になった時の感動が伝わってきます。この時間帯はほとんど上昇気流がないため、山から飛ぶ普通のパラグライダーでは長い時間飛んでいることができません。モーターパラグライダーだからこそ見れる景色です。こんな景色の中を飛んでみたいな、と思わせてくれるような作品です。 [審査員 山本] 

優秀賞 「UP」 Rick Neves (Andradas Brazil)
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選者一同「えっ」と意表を突かれました。予備傘(レスキューパラシュート)を主役に持ってくる大胆さに「やるなおぬし」。「えっ」という作品は時折見かけますが、大体が間違った方向に行きがち。しかしこの作品は構図、シチュエーション、光の当たり方などが素晴らしく、芸術性も高い。傘のデザインもクラシカルで素敵です。よく考えられた絵画のようで、画面を構成する要素が大地、人、傘、空、4点のみという潔さに目を奪われました。主役のキャノピーを排し予備傘だけを写していることで、空中での安全をフライヤーの方々に無意識にあらためて喚起するようにも思います。
傘の様子から弱くはない風が吹いているはずなのだけれど、大地に長い草はなく被写体の髪もたなびいておらず、傘だけ浮かんでいるので何か不思議な感覚にとらわれます。とても面白い作品です。 [審査員 嘉納]
パラグライダーのレスキューパラシュートを開いているところを撮影した作品です。緊急時に使用するものなので普段開いているところを見ることはあまりないのですが、それを撮ろうという目の付け所がいいですね。まるで絵画アートのような作品で見入ってしまいました。とにかく構図が素晴らしいです。レスキューパラシュートの角度、それを持っている人がシルエットになる位置、地面の入れ具合、どれもパーフェクトです。ただ、パラグライダーやハンググライダーの楽しさが伝わるような写真ではないため最優秀とはなりませんでした。このクオリティーの作品を次回も応募していただけることを楽しみにしております。 [審査員 山本]

入選 「自由時間」 阿部貢造 (茨城県足尾エリア)
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入選 「空の行く先」 呉本圭樹 (ブラジル)
soranoyukusaki
入選 「私も飛べるよ」 中村正哉 (山口県高照寺山エリア)
watashimotoberuyo
入選 「新緑を飛ぶ」 村山哲哉 (滋賀県荒神山)
shinryokuwotobu
入選 「アレッチ氷河」 横田三郎 (スイス フィーシュ)
aletchglacier
入選 「Flying with stars」 Rick Neves (Andradas BRAZIL)
flyingwithstars

審査員 嘉納愛夏

Photographer
COVID-19の影響がある中、応募していただいた皆様ありがとうございました。緊急事態宣言がちょうど多くの花の咲く時期と重なり、例年であれば色とりどりの華やかな写真を見ることができましたが、今年は叶いませんでした。撮影者の方々も残念だったと思います。そんな中で目立ったのは、空とフライヤー単体という構図と、空中でのセルフポートレートでした。よく言えば原点回帰、悪く言えばバラエティ性に欠け退屈(似たような写真になってしまう)。その退屈にならないようにするためには、他と一線を画す何かが必要で、その良い例は最優秀賞を獲得した江端邦昭さん撮影「夜明けの空」です。背景が秀逸で長時間眺めていても飽きません。優秀賞の Rick Neves さん撮影「UP」のようなユニークで芸術的な視点も参考になると思います。また、ウサギのぬいぐるみをハングライダーの模型にくっつけて撮影したファンシーな写真が印象に残っています。色も良く、被写界深度をうまく利用していました。
個人的には迫力のある圧倒される写真も見たいと思っていますので、また一年後を楽しみにしております。
審査員 山本直洋

Aerial Photograher
新型コロナウィルスの影響もあり、例年よりも応募数は少なくなりました。それでもこれだけ多くの作品が集まり嬉しく思います。空を飛ぶことは密にはならないのですが、それでも飛んでいるとコロナ渦で飛ぶなんてけしからん!と言う人も少なからずおり、なかなか飛びに行くことができない日が続きました。それでも少しづつ状況も良くなってきて、久々に飛びに行くとやっぱり空はいいな!と改めて思います。そして今回のフォトコンテストで集まった作品を見て、やっぱり写真で空の魅力を伝えることはできるんだと感じています。来年は今年あまり飛べなかったうっぷんをすかっと晴らすよう楽しい作品が集まることを期待してしております。
安田英二郎
yasuda
JHF副会長
今年は春に始まった新型コロナウィルスの感染拡大防止策として外出自粛が呼びかけられました。その影響が大きく「飛べないから撮れない。」と応募数は百以下でした。しかし、応募作品が少ない中でも今までに見たことのない斬新な構図や絵柄の作品も見られ、すばらしい光とタイミングをつかんだ作品が高い評価を受けて上位に入賞しました。少し残念だったのは子供やペットや人を入れて地上から撮影した楽しそうな写真が少なかったことです。地上での撮影は道具を使ったり演出することも可能ですので楽しそうな写真を工夫していただければと思います。JHF予算の削減が求められる中でいつまでフォトコンテストが続けられるかは分かりませんが、写真は飛ばない人でもすぐに理解できる優れたものですのでスカイスポーツの普及に役立つようにできるだけ続けていきたいものです。



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