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受賞作品審査員総評
山本 直洋 嘉納 愛夏 内田 孝也
山本 直洋
最優秀賞
山本 直洋  トンビ、キャノピー、パイロットが絶妙のバランスで写っています。
 太陽に照らされきれいに透き通ったキャノピーをはさんでパイロットとトンビが向かいあっています。
 パイロットに露出を合わせていたら空は白く飛び、空に薄い雲がなくて太陽の光が直にキャノピーにあたりそこに露出を合わせていたらトンビが黒くつぶれていたでしょう。
 偶然の一瞬をうまく捉えた作品となっています。
空撮部門・優秀賞
 風景だけの作品です。
 他に被写体を入れず、自然風景だけでインパクトのある空撮写真を撮るのは意外と難しいものです。
 撮影場所の地域的環境、気象条件で良いものが撮れるかどうかほぼ決まってしまうからです。
 飛行中に細かいカメラの設定等の操作を行うのは難しいため、条件は良かったのに撮れたものは露出が合っていなかったり、ブレていたりピントが合っていなかったり、水平が全くとれていなくて作品とはならないことも多いのです。
 この作品は、良い場所、良い条件のときにしっかりとした構図で、カメラ設定もしっかり決まった状態で撮られています。
空撮部門・優秀賞
 不思議なアングルから撮影された作品です。
 パイロット、キャノピーを下から見上げながらも、下にある雲や遠くにある山が写っています。
 そして雲にはブロッケン現象が見られます。
 パイロットの高い飛行技術、変わったアングルから撮影する発想力、自然現象が発生する良い条件がなければ撮れない写真です。
 ただ一つだけ欲を言えば、キャノピーの全体が写っていれば完璧でした。
地上撮影部門・パラグライダー賞
 ぱっと見地味ですが、とてもバランスの良い構図の作品です。
 キャノピー、パイロットは黒くつぶれながらも雲のディテールは一部残っています。
 太陽は白く飛んでいますが薄い雲のおかげで飛び具合もいやらしくなく、そこにうまくパイロットが入りきれいにシルエットになっています。
 写真がうまい!と思わせるクオリティの高い作品です。
地上撮影部門・ハンググライダー賞
 手前はシルエットで、奥には山並み、海が映っており幻想的な作品です。
 飛んでいるハングライダーを眺める人々を映す事で、日常と非日常の境界線を表現しているようにも感じます。
 飛んでいるパイロットは空から素晴らしい夕日を見ていることでしょう。
 夕日を見に飛びに行きたくなるような作品です。
総評
 第一回目のコンテストでしたが、さまざまな作品が集まりました。
 パラグライダー、ハングライダーに限られたこのコンテストでこれだけの作品が集まったのは、それだけスカイスポーツに興味のある人が多いのだと感じました。
 家族と一緒にパラグライダーを見に来ている作品、飛んでる友人を楽しそうに見上げている作品、クラブ仲間が必死に練習している作品、タンデムで飛んでうれしそうに笑っている子供の作品等、写真としてのクオリティは別としても、みんな本当に楽しんでやっているのを感じる作品が多かったのが印象的です。
 逆に、これはどうやって撮ったんだ!?というような奇抜な写真が少なかったように思います。
 パラグライダー、ハングライダーでの空撮はまだまだ工夫次第で今までなかったような写真が撮れる可能性を秘めていると思います。
 次回はさらに多くの作品が集まり、このコンテストがパラグライダー、ハングライダーの楽しさをさらに多くの人に広めるきっかけとなる事を期待しております。
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嘉納 愛夏
最優秀賞
嘉納 愛夏  光が透けたパラ、大空を舞う鳥の位置、すばらしいタイミングです。鳥が入ってなかったら月並みな作品ですが、作者は千載一遇のチャンスをものにしました。運と実力がなければ撮れない写真です。「鳥になって空を飛びたい」という太古からの人類の願望を凌駕し、「鳥と一緒に君も飛べる」、そんなコピーが頭をよぎりました。
空撮部門・優秀賞
 応募作品中、風景だけの写真が思ったより少なかったのですが、この作品以上にパラグライダーの特性を生かして撮影した、美しく芸術的な風景はありませんでした。自分の肉眼でこんなところを見に行ける、ドキドキ・わくわく感がつまった作品です。
空撮部門・優秀賞
 はじめ、どのように撮ったか不思議でした。申し分のない青空の下、足に届きそうな雲海、その中を自由自在に風に乗って飛ぶ心地よさが画面からダイレクトに伝わってきます。「私も飛びたい」、そんな風に思える一枚でした。
地上撮影部門・パラグライダー賞
 光、雲、被写体、すべてが絶妙な配置でまるで一枚の絵画を見る思いです。芸術性は一等賞です。最優秀賞との差はわずかで、強いて言えば「ハッとする驚き」のようなものでしょうか。モノクロ調の2色階調も写真の良さを際立たせています。
地上撮影部門・ハンググライダー賞
 太陽が地上に落ちようとする頃、地上と平行に飛ぶ一機のハングライダー、それを眺める親子連れ。どんな会話を交わしているのでしょうか、ほのぼのとしたあたたかい気持ちになります。何気なく撮ったかに見える一枚ですが、太陽、人々のシルエットを入れ込み、右端にグライダーを配置するという、力まない構図はかなりの手練れです。
総評
 第一回、ということで、たくさんの作品が集まるのか心配でしたが杞憂でした。レベル的にはそのへんのスナップから芸術性が高いものまで様々で、審査自体も楽しく「あーだこーだ」言いながら進みました。
 現代はデジタルカメラが主流で、デジタル一眼レフを使用するとオートでもびっくりするぐらい巧い写真が撮れます。一歩進んでシャッター速度優先+露出補正、絞り優先+露出補正を使いこなせば、今まで「惜しいなぁ」と思っていた写真も減ってくるはず。
また、写真は画像処理でかなり見栄えが変わってきます。フィルムの場合は自分で焼きこむなどは難しいですが、デジタルであれば画像処理ソフトで簡単にできます。ぜひ試してみてください。
 写真のタイトルのつけ方ですが、単純すぎるものが目立ちました。タイトルも作品のうちですので、懲りすぎはどうかと思いますが、何か一ひねり欲しいところです。
 今回、多くの「空に舞う楽しさ」を表現した作品に出会えました。人様の写真を審査するという恐れ多い仕事をさせていただいて恐縮でしたが、私自身とても勉強になりました。至らない点も多々ございますがどうかご容赦いただくよう、みなさまにお願いするとともに、深く感謝いたします。ありがとうございました。
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内田 孝也
総評

内田 孝也
 パラ・ハングをレジャースポーツとして新しい人にアピールしたい、そういう希望が愛好者みんなにあるのに、新しく試してみようという若者が少ないのは、じつはもうスカイスポーツが珍しくなくなってしまっているからではないか? 理事会での話題でした。確かに大学生くらいの若者が生まれたころには、すでに大勢の人がパラ・ハングで空を舞い、「人」が空を自力で飛ぶのはあたり前になっていました。そして、珍しくなくなったものは、事故などのネガティブな話題でしかメディアに登場しなくなり、山間部のフライトエリアに足を運んだ人にしか眼にされることもない存在になっているようです。
 では、パラ・ハングの普及のために「空を飛ぼう!」というテレビコマーシャルを作って放映したらいいじゃないか。企業の商品広告のイメージ表現のためにパラ・ハングが採用されると、本当に興味を持つ子供たちが増えると実感されています。しかし何億円もかかるテレビCFをわたしたち独自で利用することは無理があります。そこで、様々な問い合わせのある機会ごとに、パラ・ハングの「良さ」を画像で伝えられる、JHFが主体的に紹介できる写真を集めることを第一歩としよう。ということで、第一回を開催させていただきました。
 入賞作品や、応募してくれたカメラマンには、JHFのメディア露出だけでなく、企業や広告代理店のイメージ探しの照会時に潜在的なアピールパワーとして活躍してもらう予定です。嬉しいことに、ご応募いただいた6割の方は愛好者ではありませんでしたが、テーマとした「ハング、パラグライダーの楽しさ、美しさ」を表現していただきました。突然の企画公表で、「何でJHFが?」という戸惑いも見られ、作品が集まるかは不安でしたが、346点のご応募をいただき、ひとまずの成功に、心から感謝申し上げます。
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審査員総評