モーターパラグライディング教員技能証学科検定
 
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                         フライヤー会員登録番号氏名
【設  問】
 貴方のMPGエリア内で事故がありました。テイクオフ直後の練習生が機体コント
ロールを乱し、スピン後ほぼ垂直に10m墜落しました。幸い乗用車のボンネットの
上に、落ちたため、生命に異常は無く意識がありました。しかしかなりの重傷です。
次の【1】〜【5】について、簡潔にご説明ください。
【1】貴方がまず一番最初にしなければならない行動は何でしょうか?
【2】さらに関係各方面に連絡を入れなくてはなりません。どのような機関へどうい
   う順序で報告しますか?
【3】見学者のひとりがこう言いました「非常に危険だ。君たちはどんな許可をとっ
   てこんなことをしているのか。免許のような物はあるのか?」貴方はどう対応
   しますか?
【4】エリア内は駐車禁止で看板も立ててあるが、乗用車を傷つけられた持ち主が全
   額弁償しろと言ってきた。貴方はどう対応しますか?
【5】警察が来ました。スカイスポーツとしてのMPGを説明してください。
 
 
【1】人命救助を第一優先します。
 ケガの状態を観察し、脳や神経系/内臓器官などに損傷の恐れがある場合や重症事
故は、直ちに消防隊の救急車やヘリコプターなどの出動を要請し緊急処置や医療機関
へ緊急輸送をしてもらいます。緊急救助者の到着までは本人がなるべく楽な姿勢をと
らせ、家族や友人に接する様に励まします。
★ここがポイント注意点
 無理に移動させたり、誤った救急処置や無理な姿勢で放置しておいたために、傷病
の程度が進む事がありますので注意して下さい。できれば、消防等へ連絡時に症状を
話しどの様な処理をして救助待機しておいたら良いか聞いてください。
 事故者は、不安と恐怖に曝されている場合がありますので「もう直、救助隊が来る
から」と安心させ、例え重症であっても「これはひどいケガだ」とか「もうダメかも
しれない」などは決して云わずに励ましつづけて下さい。
 
【2】連絡をとる基本的順序
●消防等の緊急救命活動機関へ連絡
●重篤症状のような重大事故の場合は、警察へも連絡をいれます。
●緊急救助活動を消防や医療機関へ引継ぐと同時に被災者の家族に連絡を入れ「いつ」
 「どこで」「どのような」事故が起きたかという事と現状どのような治療処置が行
 われているかを連絡します。
●上記一連の処理が終わり落ち着いたところで、保険加入している場合は保険会社へ
 連絡を入れておきます。
●連盟へも迅速に事故報告を行います。
★ここがポイント注意点
 業務上の過失致傷事故は、刑事責任が及ぶ場合があります、後に警察の調査で事故
隠しととられたり、被害者との関係に誠意や信頼が著しく欠ける時はより刑事責任追
及が厳しくなります。
 家族や肉親は、自分の身内がどのような事故でどのような処置を受けたのかを知り
たいと思っています、そこでも事実と異なる内容や連絡を遅らせ事故を隠すようなこ
とがある時は、事故車や家族に不信感が芽生え「もしかすると起きなくて済んだ事故
ではなかったのか? 救急処理対応によっては助かったのではないか?」といったこ
とから刑事告訴や民事訴訟に発展する事もあります。
 事故調査によっては、スクールの賠償事故に発展する事があります、傷害保険や賠
償責任保険の事故報告を早めに保険会社に行ってください。JHFへも事故報告を行
う事で、自分たちで決めたルールを順守してスクールを行っていることをアピールす
る事もできます。
 警察やマスコミ、相手の家族や弁護士から連盟に問合せが入ることがあります。
 
【3】見学者には対応代表者を決め「いま消防等の機関に通知し、事故者の救助に専
念していますのでています。人命救助や事故現場保存の妨げにならないようお願いし
ます」と現場から遠ざかるようにお願いします。
 特にマスコミ関係者には「これから警察や所属の連盟であるJHFと協力して調査
を進める予定です、詳細はそれから説明します」と答える。
★ここがポイント注意点
 フライト関係者は、報告すべき関係機関以外には事故に対する意見を話さないこと
が、重要です。うっかりした発言や、憶測に基づく発言は、他人の耳に入った時から
一人歩きをはじめ事実と異なる内容に変化していくことがあります。また、マスコミ
や見学者から一般社会に対しての印象が広がりますので、丁寧な物腰で落着いた対応
をします。
 
【4】他人の財物に損害を与えた賠償責任は発生するが、エリア内に無断で駐車して
いた方にも責任が生じ全額の賠償をしなくても良いケースが考えられるので、「いろ
いろご迷惑をかけて申し訳ありません、名前と連絡先をお教え下さい、また修理をさ
れるのでしたら修理先もご連絡下さい、ただここは、フライト場所として自分たちが
占有利用しているところですので、保険会社等専門家と相談の上ご連絡いたします。」
とこちらの連絡先と責任者を教えておく。
★ここがポイント注意点
 過失により、他人の財物に損害を与えた場合は損害賠償責任が生じますが、被害を
受けた方にも過失がある場合は過失相殺による賠償金額の減額が行われます。その場
所で、全額賠償しますと約束を交わした時には、過失による損害賠償責任とは別に、
双方の約束による支払責任という法的責任を負うことがあります。
 
【5】いつでも答えられるように文章にして暗記します。範囲回答はありません。
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