●1.フライヤー会員登録に関する見解
JHF
FLM
 
■現状(平成12年3月現在)
 JHFでは昨年まで、JAA日本航空協会に航空スポーツ登録を行なった者を、ハングフライヤー宣言者としてきたが、本年1月よりJAAから登録事業の移管を受け、独自のJHFフライヤー会員登録制度をスタートさせた移管の完全終了まで3年間の期間を必要とする。
 
■フライヤー登録の共用
 補助動力委員会は両登録証の共用処置について前向きに検討する用意がある。ただ、現在会員登録制度がスタートしたばかりで、事務局は多忙を極めており、JHF理事会の協議に上るまでのスケジュールは見えない。また共用することにより他の部門(ハング・パラ)には、いかなるメリットがあるのかも見極めなければならない。
 
■現状(平成12年3月現在)
 JML日本マイクロライト航空連盟は現在もJHF同様、JAA日本航空協会の航空スポーツ登録に加盟しているが、FLMでは発足当初から独自の登録制度を行ってきている。
 内容はJHFの新フライヤー会員制度を先取ったものと言える。平成12年2月現在、約1500人程の会員数である。
 
■フライヤー登録の共用  
 FLMは発足時かなりの数JHFフライヤーを受け入れた、その者たちがPPGに定着し、JAAの航空スポーツ登録をやめてしまうと、JHFの技能証を持っているにもかかわらず、山エリアでフライヤー登録者でないと断定され、飛ばしてもらえない。しかたなくFLM・JAA双方に登録しなければなず、登録料を2倍払っている状態が続いている。フライヤー宣言というものと会費は別物で、いづれかに宣言を行っている者は所属する団体に関係なく、自己責任でスカイスポーツをする者と見なすべきである。将来は、FLM・JHF双方の会員登録者は、どちらのエリアも利用できるようにすべきである。
 
 
●2.技能証(技量認定証)に関する見解
JHF
FLM
 
■現状(平成12年3月現在)
 現在JHF補助動力技能証を取得するためには次の5段階を経なければならない。
1.補助動力練習生A証
2.補助動力練習生B証
3.補助動力NP証
4.PGのNP証またはP証
5.補助動力技能証
 上記の他に滑空機としてクロスカントリーフライト(管理外エリアフライト)を行うためには、別途クロスカントリー技能証を取得しなければならない。
 補助動力NP証から山飛びP証を取得するには次の条件を必要とする。
【技能証移行規定・条件1:斜面での離陸と飛行に関して十分な技術を取得していることを、教員が確認できること。】練習生技能証の廃止に関して、昨年2度にわたり審議をしたが、委員会では2回とも否決された。当分の間技能証に関する協議は行われない。
 
■PPGからの移行
 現段階では一切認められない。他団体のいかなる技能証を所持していてもJHF技能証規定に基づいた正規の講習をゼロから受けなければならない。JHFの他部門も同様である。PPGから補助動力もしくは滑空部門への移行優遇処置については、現在まで正式に協議されたことは無い。
 将来について、補助動力委員会は、「移行優遇処置」を検討に値するものと受け止めているが、これを推進するためには、教習検定委員会・制度委員会の協力とJHF理事会の承認を得なければならない。さらに、FLM現技能証がJHF補助動力部門の、どのクラスに相当するかが不明だ。JHFには練習生部門があるが、FLMには無い。FLMにはインストラクター技能証があるが、補助動力部門では単独に存在しない。
 
 
■現状(平成12年3月現在)
 現在FLMでは次の3つの技量認定証を発行している。
1.パワードパイロット クラス
2.パワードパイロット クラス
3.パワードパイロット インストラ
  クター
 クロスカントリーフライト(管理外エリアフライト)はクラスを必要とする。インストラクターは2年間で更新を必要とする。
 
■補助動力からの移行  
 JHF補助動力NP証を取得しているパイロットにパワードパイロット・クラス氓認定している。ピュアパラ(山飛び)からの優遇処置は無い。クロスカントリー証を所持していても、動力未経験者はクラス氓最初から講習してもらう。
 将来について、双方の技能証取得条件を協調できるように見直して、相互乗り入れができるよう考慮してもらいたい。これは、JHFとハンググライディングスポーツの拡大にもつながるはずた。
 
  
●3.フライトルール・モラルに関する見解
JHF
FLM
 
■現状(平成12年3月現在)
 JHFは、昨年1月に基本的なフライトモラル・フライトルールをまとめフライト手帳として、補助動力フライヤーに配付した。しかし現在のところ特別なキャンペーンはやっていない。
 現在、ホームページに学科問題集をジャンル別に掲載し、法規や気象を再認識してもらうコーナーを設置した。
 補助動力はそのエリアがより市街地に近く地域社会との接触も大きい。本当のところ一般市民はMPGもパラもハングさえも区別がついていないのが現状だ。急激に増加したMPGが、ハンググライディングスポーツ全般を巻き込んで「有害レジャースポーツ」のレッテルを貼られならないようにしなければならない。
 
■今後の活動
 補助動力委員会は2001年に、フライト手帳の続刊を配付する予定でいたが、予算取りが十分にできず制作を見合わせることになった。現在、他の方法を検討中である。もし何かの形で刊行物を発行できるようであれば、次回からは補助動力パイロットに限定せず、より多くのモーターフライヤーに配付できる方法を考たい。当然、編集内容は補助動力に限定しないが、初版でも提唱したフライトモラルに、偏った記述があったとは考えていない。
 
 
■現状(平成12年3月現在)
 フライトモラルに関しては、機関誌で毎回アナウンスをしてる。機関誌は登録会員全員に個別配布をしている。
 
■今後の活動  
 フライトモラル・騒音対策について、スカイスポーツ発展のために真剣に取り組む所存である。ただ現在のところ具体的な企画はない。
 JHFが発行したフライト手帳は編集内容も配付方法も、補助動力に偏った志向でモーター全般の実情に合っているとは思えない。
 
  
●4.但馬合意(協定)見直しに関する見解
JHF
FLM
 
■現状(平成12年3月現在)
 但馬合意を尊重し、順守するよう努力している。合意文書の第六項に「補助動力ハンググライダー・パラグライダー以外のフットランチド機は日本マイクロライト航空連盟が統括する」と記述されているが、実際には両連盟のどちらにも所属していないクラブや団体がある。FLMが統括しきれないのであれば、本項は訂正もしくは削除すべきである。
 
■今後の運用
 第四項の日本選手権競技内容のについて合意内容に見直しが必要であれば取り組まなければならないと考えている。その他新しい提案があれば、どのような課題についても応じる用意がある。
 
■現状(平成12年3月現在)
 但馬合意そのものの存在は確認しておりFLMは合意に反するような活動はしていない。ただ合意内容には現場の実情が盛り込まれておらず、成立方法に問題があったと考えられる。特に一部の内容においては、あきらかに補助動力の正規の運用と異なる解釈がされており、きちんとした言葉に書き改めるべきである。
 
■今後の運用  
 但馬合意によりJAA・JHF双方から日本マイクロライト連盟にフットランチド部会が設立されたことを認められ3年間を経た。さらに世界選手権への出場権を有した日本選手権を3度開催し、その実績は社会から認められるものになったと自負している。従って第一項・第二項はわざわざ記述する必要はないと思える第四項の日本選手権競技内容の解釈についてはJAA・FLM・JHFの3者が再度話し合い「補助動力の正しい運用」に沿った統一解釈を打ち出す必要がある。
 その他の合意内容の見直しについても、必要と思われる項目の改定・追加削除に取り組む用意がある。
 
 
●5.日本選手権に関する見解
JHF
FLM
 
■現状(平成12年3月現在)
 但馬合意に基づいて日本選手権規定を制定し栃木県・群馬県・千葉県においてすでに3回開催している。今年は10月に国体開催県である富山県で開催することが決定している。現行の日本選手権規定は第3回大会まで参加資格に優遇処置があり、出場枠を広げることができた。従って、千葉大会ではPPGフライヤーの参加も認められたが、現規定のままでは、次の富山大会では参加を認められない。JHFの補助動力フライヤーについても、所属県連盟の推薦が必須条件となる。現在、「日本選手権規定」の改訂を検討中でパラ・ハングの日選とは違う形態の競技会を目指している。
 
■FLM日選への後援
 スカイスポーツの発展のため今後とも後援を続ける所存である。
 
■2つの日選について
 現在日本選手権が2つ開催されているが、競技内容が異なっており、2つあっても良いと考える。JHFでは全タスクにおいてエンジンカット後のグライディングを競技の主体としている2つの日選の存在は、もともと競技会の少ない我々のレジャースポーツの中で、フライヤーにとっても、参加するチャンスが増えるというメリットがある。また、地方自治体へ開催協力を要請する場合「日本選手権」という名称は説得力があり、地方自治体にとってもメリットがある。これを開催することでスカイスポーツの認知とPRに寄与しているものと考えられる。JHFは今後開催地を日本全国へ発展させる所存だ。できれば2つの大会の開催時期が離れている方がより望ましい。
 
 
■現状(平成12年3月現在)
 但馬合意によりFLM日本選手権の成績優秀者を世界選手権へ送り出している。また普及振興のためオープンクラスや団体戦の競技も開催している。
 
■JHF日選への後援
 今後とも後援を続ける意志である。ただし競技内容をエンジンカット後のタスクのみとすることを要望したい。FAIの競技規定にのっとったフルパワー競技は、FLMが受け持つ。
 
■2つの日権について
 現在日本選手権が2つ開催されていることは事実であり、スカイスポーツの発展のためには協力も後援もやぶさかではないが、ただ、ほとんど同じような競技内容であれば、2つあること自体が不自然だ。JHFは完璧にグライディングだけのタスクを組むことにより、2種類の日本選手権が存在することの意義がある。一方でFLMとしては、日本選手権の一本化も考慮している。諸々の条件が整えば、FLM・JHFの連名共催の形にすることに反対しない。
 
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