項 目 |
パラグライダー飛行中の墜落事故 |
日 付 |
2005年5月21日 |
場 所 |
神奈川県秦野市丹沢山塊 行者ケ岳付近 |
機 体 |
APCO AVIATION LTD. BAGIRA S サイズ(投影26u) |
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1.事故調査の経過 |
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1.1事故の概要 |
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APCO社製 バギーラ S サイズ(パラグライダー、単座)は、2005年5月21日
午前11時50分頃、レジャー飛行のため神奈川県丹沢国定公園、二の塔尾根近くの斜面から離陸し、30分飛行後行者岳上空へ飛行、対尾根高度は100m以上あったと思われる。
風の乱れの為か翼を潰され回転を始め10旋回程したまま墜落し沢の岩に激突した。ほぼ即死の状態であった。
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1.2事故調査の概要 |
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事情聴取:
目撃者に事故当時の様子を聴収した。
気象状況収集その他関係情報収集などをおこなった。
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事故機の検証:
2005年5月21日 |
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検証事項:
目視による外観検査のみ(ラインは警察が遺体収容の際カッターで
切断)されていた。機体そのものには破損は認められなかった。
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2.認定した事実 |
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2.1飛行の経過 |
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事故機の飛行経路の詳細は、搭乗していたパイロットが死亡しているため不明である。
しかし、事故機の飛行経路は、同時間帯に飛行していた他のパイロットとほぼ同一の空域、経路を飛行していたものと推定される。
目撃証言から、事故機の飛行経過は次のように推定される。
事故機は、2005年5月21日午前11時50分頃、レジャー飛行の目的で神奈川県丹沢国定公園二の塔尾根近くの斜面のテイクオフ場(標高800m)を南西の風、約1.5〜2mの中を離陸した。山際、平野部は晴。雲低はテイクオフから+900mであった。
離陸後、テイクオフ前の上空域を高度獲得し10分の飛行後、二の塔、三の塔、烏尾を経て丹沢山塊、表尾根ずたいに行者岳(標高1209m)方向に飛行した。
飛行経路上では所によりサーマルのリフトがあり容易に高度を獲得することが出来る状態で、多少上下する程度の気流状態の中を飛行した。
行者岳上空に到達した時にはその上空100m以上と思われる。
その後乱気流のため翼を潰され旋回を始め(キャノピーが真下向く状態ではない。)になり旋回を継続したまま(10旋回程度)の状態で岩に激突した。救急隊員が現場に到着したときには事故者は意識がなかったことが確認されている。 全身打撲による内蔵破裂、頭部に裂傷もあった。
事故者は緊急パラシュートを装備していたが目撃者の話しから使用しなかったという報告があったが、後日遺留品のハーネスの中から引き出されていないパラシュートを確認した。
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2.2機体の損壊に関する情報 |
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キャノピー部分 :
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損傷は認められない。 |
ライン各部:
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救急隊がカッターで切断したため不明。 |
ライザー部:
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救急隊がカッターで切断したため不明。 |
計器類:
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回収されていない。 |
ヘルメット:
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不明。 |
2.3機体に関する情報 |
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型式 APCO 社製 BAGIRA S サイズ
550646 |
製造年月日:
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2000年6月26日 |
耐空証明等:
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AFNOR取得 S52308/S52309 |
総飛行時間:
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不明 |
総発航回数:
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不明 |
飛行重量:
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最小73kg〜最大90kg |
2.4パイロットに関する情報 |
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性別:男性 年齢:59歳 裸体重:65kg |
技能:
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パラグライダーパイロット技能証
飛行経歴は15年であるが年間飛行時間は30−40時間と所属クラブ員の中では多く飛行していた。 |
2.5気象に関する情報 |
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2.5.1事故当時の風向、風速 |
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テイクオフ:
南西の風1.5〜2m
/s
飛行経路:
南西の風2〜3m/s
事故目撃者の証言より現場付近の風の状況は次のとおりであった。事故発生時間帯前後にわたり同空域に於いて事故機を含め複数機(4名)が飛行していた。いずれの証言者からも急激な風向、風速の変化、突風等による飛行の障害となる状況は証言されていない。
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3.考えられる原因 |
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事故調査をして得られた情報から、今回の事故は、南西の風が一時東に短時間変わった際
に事故者の空域が乱れ片翼が潰されたが、高度が十分あるにも関わらず回復動作が十分行わ
なかった為岩場に激突した為と思われる。
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