2005ハンググライディング世界選手権

大会レポート
1月9日（日）
ＤＡＹ3 昨日までの南強風が弱まり気温も高くなるので朝からわくわくするような空模様の中3日目が始まりました。予想通り気象のほうもサーマルのマックスは2400mとこの3日の中で最もよく、風向きも東から北にふれるという予報でした。タスクはパッドック-デニルクイン北36-デニルクイン西47番ゴールの180km。南に110km行きそこから西へ70kmのゴール。2日続けてのアイバンホータスクにちょっと疲れていた我々には新鮮で楽しげなタスクでした。昨日の成績から外村、大沼選手はアルターネーティブローンチ（オープンウインドウ）を選択。4つのレーンの先頭で1：45分にテイクオフ、今日は外村選手もすんなり上がり大沼選手とともに早くも雲低につける。その後日本チーム全員がすべて順調によいポジションにつけ今日はいいぞ～という感じでスタートタイムの30分前にパッドクを2台の回収車で出発しようとしたまさにその時アクシデントが発生しました。ノルウェイの選手がドローリー（テイクオフのための台車）から離れた直後に、何かベースバー右のものに気をとられている間に左に取られ修正も効かないままロックアウトし15ｍから地面にたたきつけられました。通常であれば切れるはずのウィークリンクも切れず、リリースする操作はしていたもののトーラインからリリースされることも無く最悪の状況でした。駆けつけた役員たちもまったくなすすべもありませんでした。事故の原因などについては現在調査中ですがわかり次第報告します。このアクシデントにより10分後に今日の競技キャンセルが決まり、スタート間近だったすべての選手がパドックか近くのエアポートに着陸しました。明日は競技は行われると思いますが、ノルウェイの選手の冥福を祈るとともに気を取り直して行きたいと思います。　さて、予想外の時間もできたので今回の各国の選手構成などを昨日までの国別順位で見てみることにしましょう。１．オーストリアマンフレッド不在ながらもゲロルフ、レイジンガーの2本柱は強力。中堅のセッピに加え今回初の若手２人も確実に800点以上取ってきます。２．オーストラリア地元の利以上に非常に強力なメンバーがそろっています。 2日目の得点で954点のスティーブ・モイスがチーム内4位でチーム得点に加算されないのを見ても今回の優勝候補の一角であることは間違いないでしょう。３．フランス同じく非常に高いレベルでバランスが取れているチームでトップ20に必ず4人～5人入っています。特に若手の台頭は無いもののチームとしてはもっとも成熟しているといえるのかもしれません。４．アメリカここはまったく世代交代が終了したばかりのカート・ウォーレン中心のチームで3人の強力な若手のみのチームです。一応チームは6人ですが。。。現在4位ですが3人のうち一人がこけると、今の順位にはいられないかもしれません。５．ドイツギド・ゲアマン、ルーカス・ベーダーを中心としたチームで確実にゴールを重ねてきますが日本チームが追いつけない相手ではないと思います。６．イタリアアレックス・プロナー、クリスチャン・チークが2本柱でやはり強力です。フランスチームのようにここもメンバーの変更はありません。ただその2人以外はヘイやトーイングになれておらずここも追いつけなくは無いと思います。７．スイス最近不振が続いていたスイスチームですが、世代交代で若手3人がまあまあの選手です。　でそのあと我が日本チームとなるわけですが、スイスチームとの差は20点差弱、ブラジル不在でイギリスチームも充実していないので国別7位は射程距離ですし今回6位は狙って行きたい所です。（前回ブラジル大会は9位）　このように世代交代が確実に進んでいるチーム、成熟したチームいろいろありますがそれらのチームに対して日本の実力は確実に上がってきているのを肌で感じられるのはこの上ない喜びです。やはり思うのは実力のある選手は海外での経験が豊富であるということ、当たり前のことですが日本の選手・チームがさらに上を目指すのであれば、ポイントシステムに海外大会のポイントをもっと取り入れることが急務で、若手・中堅・ベテランでバランスよくもっともっと外国で飛ばなければお話になりません。　そういう意味では昨今の若手が盛んに海外の大会に参加をしはじめていることはうれしい限りですし、次回世界選手権でそういった選手が活躍してくれるようになれば日本はさらに次のステージに上がれることは間違いありません。
風の強いパッドックでは、機体を確保するためのペグを地面に打ち込むことから始まります。
約100機のハンググライダーを10～12台のタグ（トライク、ドラゴンフライ）が40分ほどですべて空に引っ張り上げます。
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