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フライヤーサポートデスク・連盟からのお知らせ

2010CIVL総会レポート


 2010CIVL総会に出席したFAI/CIVL日本代表岡芳樹氏によるレポートをお伝えします。



2010年CIVL総会レポート              by Y.OKA

日程:2010年2月18,19日小委員会
          20,21日総会

場所:スイス、ローザンヌ、モーベンピックホテル

参加国: オーストラリア、オーストリア、中華人民共和国、中華民国、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ガテマラ、ハンガリー、アイスランド、インド、イタリア、日本、ルクセンブルグ、マケドニア、オランダ、ノルウエー、ポルトガル、セルビア、スロベニア、スペイン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国。

委任: カナダ→アメリカ合衆国、ニュージーランド→オーストラリア、スウエーデン→デンマーク、ベルギー→ルクセンブルグ。


議決事項: 特に、関心が高く、重要と思われる事項を列記する(特に断らない限り、HGおよびPG共通の事柄である)。

1. FAIがこれまでIOC内に住所があったが、IOCを出て、新しい場所に移った。

2. 2010年PGアジア選手権の名称、競技委員長、日程の変更とエントリー費を円建てにすることで、上がることを理事会が承認したことを承認する。また、エントリー総数が120人に満たなかった場合、1カ国の参加枠が最大50人となっている制限を外すことを承認した。

3. PG大会において、タスクを落とせるルールであった場合に、WPRSポイント計算に、落とした後の本数ではなく、成立した本数を使用する。

4. 大会での、タスクの種類を増やす(例:周回コースを設定し、決められた時間内にどれだけ回れるかを競う。各選手が折り返しのターンポイントを決め、メインランディングに戻って来る。など)提案は、カテ2大会でもっと実績を積むことと詳細をフィードバックすることとし、今回は見送る。

5. オープンディスタンスの世界選を開催する提案は、XCに興味があるパイロットがどれだけ大会形式に興味があるか、分からないことと、昨年から始まったCIVLのXCオンラインコンテストを格上げして、そちらで表彰することも考えられることから、提案者であるアメリカにもっと具体的で詳しい提案を来年して貰うこととし、今回は、見送る。

6. 現在、いくつかのライブ・トラッキング装置が出回っている。観客、スコアリング、緊急時の対応などで多くのメリットがある。今後カテ1大会で使用するようになると考えられる。その場合、現セクション7では、外部からの援助を禁止しているので、ルール上抵触し、プロテストの対象になりうる。その場合、ライブ情報ではなく、ある時間遅らせた情報を提供することで避けることも考えられる。しかし緊急時の情報としては、ライブ情報に価値がある。等々の意見が出され、2010年版セクション7では、ライブ・トラッキング装置を使用してもルール上問題がないようにルールを変更し、2010年のPGヨーロッパ選手権、HGプレ世界選手権で試用できるようにする。

7. 違反回数によりペナルティの大きさが変わる(例:最初の違反が警告で2回目が10%減点)ような違反を同一フライトでした場合は、競技委員長の判断で、2回以上のペナルティを課せることとする。

8. 大会でのGAPパラメーターは、最初のチームリーダーブリーフィングで決定することとする。

9. HGクラス1グライダーのスプログの測定は、大会の安全性と、安全に対する選手の考え方に寄与しているので今後も継続して行く。

10. 作業部会の構成者には、コンペパイロット、技術的エキスパート、CIVL理事を含めることとし、作業部会からの提案は、各国代表およびCIVL理事会に対してなされるものとし、それは、十分尊重されなければならない。また、作業部会の構成者は、利益相反の有無を開示し、CIVLはそれを適切に扱うこととする。

11. 2011年5月1日以降のPGカテ1大会においては、使用するハーネスは、 EN1651(ハーネス強度)ならびにLTF09(バックプロテクション)規準あるいは同等の規準に則り型式登録されたものでなければならない。

12. PGカテ1大会での安全性を確保・増大させるために、2012年以降のカテ1において、EN D以下の型式登録されたグライダーのみが参加できることとする動議が提出されたが否決された。そこで、作業部会を設置し、以下の事項を検討し、スケジュールに則ってCIVLに提案することとする。

  @a) プロトタイプあるいは型式登録されていないグライダーは、メーカーが最低限の安全性を証明するビデオならびにデーターを公表することとする。その安全性を証明するための項目を決定する。これに関するスケジュールは2011年の世界選手権(スペイン)に間に合うようにする。
  A)さらに安全性を確保するために、例えばアスペクト、機体重量、総ライン長などに加える制限項目を規定する。これに関するスケジュールは2012年ヨーロッパ選手権(フランス)に間に合うようにする。
  作業部会のメンバーは:マーティン・チェール(スイス)、グレゴリー・ヌドソン(ルクセンブルグ)、ディディエ・マチュラン(フランス)、ロバート・アーツ(フィンランド)、ハリー・ブンツ(ドイツ)、CIVL理事(未定)

13. PGカテ1大会参加資格項目として、現在のX本以上、Ykm以上なる文言に、Z人以上が参加した大会なる文言を追加する。

14. PGの定義を変更する(剛性のある主たる構造物を持たないとの文言)かどうかについては、今後の開発が安全性に寄与することも考えられるので、現時点で狭い定義にすることは得策ではないとのことで見送られた。

15. 現在のPG世界選手権では、参加国が増える傾向にあり、ベースチームサイズを小さくせざるを得ない。何か良い手立てはないか?

  @)個人戦と団体戦を分けて別々に世界選手権を開催する?−>オーガナイザーがいるか?スポンサーが見つかるか?
  A)女子の世界選手権を開催し、+1を削除するか?−>女子のトップ選手は女子世界選手権を望んでいない。スケールメリットがないのでオーガナイザーがいるか?

結局現時点で、良い解決策はなく、ベースサイズを1+1とし、国別ランキング順に選手を選考していくこととする。

16. 現在のPGセクション7では、カテ1大会への参加選手の資格を決定する時期(大会60日前)と国別ランキングを決定する時期(大会前の3か月前の一日)が異なっており、混乱を招くのでこれを、共に大会前2カ月と同一にする。

17. PGアキュラシー大会で、テイクオフのインターバルが、現行では1.5分となっている。これを、「1.5分を推奨するが、テイクオフディレクターが調整できることとし、選手が望むなら、1.5分を選択できる。」とする。

18. PGアキュラシー大会で、DC(デッドセンター)のサイズは大会中変更できないこととする。(現在、3cmと2cmが存在する)

19. PGアキュラシー大会で、ビデオは以下の場合にのみ、事実確認の2次的情報として使用される。
  @)陪審がプロテストに対処するため。
  A)チーフジャッジが不服申し立てを受け取ったかイベントジャッジの要請により、ビデオを確認しようと決めた時。

20. PGアキュラシー大会で、イベントジャッジは、リランチの要請に対する決定を、ジャッジチームと協議するためあるいはチーフジャッジがビデオを確認すると決定した場合にビデオを確認するために15分間延期することが出来ることとする。

21. 2010年アキュラシージャッジセミナーを、中国(あるいは台湾)、北米、ヨーロッパで開催する。その予算は1500ユーロとする。

22. アクシデントデーターベースを今後も収集に努める。

23. 高度制限の導入に関しては、現時点で、GPS高度、気圧高度のどちらにするかは未決であるが、2009年のHG世界選手権で採用した方法を、2010年のカテ1では使用する。

24. 2010年のアクロ世界選手権はキャンセルとなったが、3月15日まで、最後の可能性を探る。

25. アクロが多くの国で、承認されておらず、発展を妨げられている。もっとプロモートするために、大会でのアクシデントデーターを集め公表し、アクロが危険ではないことをアピールする。また、ジャッジセミナーを開催する。北米から2人の見習いジャッジをヨーロッパの大会に合わせて招へいし、トレーニングを受けさせる。また、シニアジャッジをアメリカの大会へ派遣し、セミナーを開催する。これらの予算手当を6000ユーロとする。さらに、ジャッジトレーニング用ビデオ作製に500ユーロを手当てする。

26. 2010年1月以降、カテ1大会に参加するパイロットに、EN966認証登録されたヘルメットの装着を義務付ける。また、他国の基準も研究し、EN規準と比較し適切と考えられる規準をCIVL理事会に提案する作業部会を設置し、予算も手当てする。メンバーは、リス・エステス(アメリカ)、トーマス・ブランデルナー(オーストリア)、ステファン・マルボ(フランス)。

27. 大陸記録に関して、既にFAIウエブサイトに情報がアップされている。

28. 2012年PGアキュラシーヨーロッパ選手権は、マケドニアで開催。

29. 2012年HGヨーロッパ選手権は、トルコで開催。

30. 2012年PGヨーロッパ選手権は、フランスで開催。

31. HG女子世界選手権でのチームスコアは、各タスクのベスト2の合計で算出する。

32. HG女子世界選手権でのストップタスクは、現行の1.5時間を経過していたらの文言を、1時間に変更する。

33. HG女子世界選手権のチームサイズを6人とする。

34. HGカテ1大会では、プロトタイプは参加できないこととする。ただし、2010年のHGヨーロッパ選手権に影響しないように、この文言の発行期限を2010年9月1日からとする。

35. 2009年度決算は承認された。

36. 2010年度予算は、今年の総会会議費と、ジャッジセミナーの予算手当を変更して承認された。

37. ぺぺ・ロペス、HGディプロマは推薦がなかった。

38. 選挙:

   CIVL委員長: ジョン・オルドリッジ(イギリス)
   副委員長: イゴー・エルゼン(スロベニア)

         フェルナンド・アマラル(ポルトガル)
         アガスト・グドムンドソン(アイスランド)
         スコット・トルケルセン(デンマーク)
   事務局: ルイーズ・ジョスリン(フランス)
   財務: クース・ド・カイザー(オランダ)
   安全・教育小委員会委員長: ラズロ・ケレケス(ハンガリー)
   スポーティングコード小委員会委員長:決まるまでジョン・オルドリッジ(イギリス)
   PG小委員会委員長: ロバート・アーツ(フィンランド)
   HG小委員会委員長: オイフィンド・エレフセン(ノルウエー)
   PGアキュラシー小委員会委員長: カミル・コネクニ(チェコ)
   アエロバティック小委員会委員長:
         デニス・ペイゲン(アメリカ)、イリス・ヴォイト(オーストリア)
   レコード・バッジ小委員会委員長: スコット・トルケルセン(デンマーク)
   ソフトウエア作業部会部会長: アガスト・グドムンドソン(アイスランド)

39. 来年総会開催場所: 台湾から立候補が出されたが、投票の結果ローザンヌに決定。

40. 来年総会開催日程: 2月26、27日

元CIVL委員長とFAI会長

以上


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