■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
河原や海岸でパラグライダーにモーターを背負って飛んでいるのを見かけませんか?
それがMPGモーターパラグライダーです。自動車免許のような行政のライセンスは
有りませんが、それに代わる「技能証の取得」が必要です。誰でも簡単にできますが
しかるべきスクールで講習を受けて、フライトルールと技術を習得してください。
    

    

1.スクールへ入校しよう
 モーターパラのスクール・クラブは全国各地にあります。何カ所か見て回り、自分
の気に入ったスクールを探します。純然たるクラブ組織で、スクール活動は行わない
クラブもありますが、気軽に声をかければ丁寧に説明してもらえます。
    

    

    

 そうです。校長が言うように教室は広い河原と大空です。インストラクターはみな
ちょっと個性的な人物が多いのが、このスポーツの特長のひとつです。
 まずはスクールに通い技術を習得します。決して用具を勝手に揃えて、見様見まね
で始めないでください。とても危険です。入校手続きは通常、エリア近くのショップ
と呼ばれる事務所で済ませます。
    

    

2.技能証課程の選択?
 初めにこんなことを聞かれる場合もあります。
    

    

 実はモーターパラには2種類のフライト体系があります。どちらもスクール卒業時
にライセンスが発行されます。
(1)MPGパイロット技能証
 将来のステップとして、エンジンを装着せずに山から本格的なパラグライディング
を目指すことを目的とした技能証です。また違った世界を経験できます。
社団法人日本ハンググライディング連盟が発行します。
(2)PPGパイロットクラス1技量認定証
 将来のステップとして、日本選手権や世界選手権へ出場するための技能証です。
NPO法人日本マイクロライト航空連盟FLM部会が発行します。
    

    

3.初てめの講習(機体の説明)
 まず初めに機体の説明をされます。機体の各部名称はいっぺんに覚えられるもので
はありませんが、徐々に分かってきます。パラグライダーが飛行する理論も一番最初
に教わることになります。パラシュートと違い、空中で前進しないと失速することを
教えられます。
    

    

4.実地講習の第一歩(機体の立ち上げ)
 どこのスクールでも、初めからエンジンを装着して機体を立ち上げることは、まず
させません。エリアの条件にもよりますが、近くに緩斜面が有るスクールでは、最初
に機体だけを装備して斜面を走らせます。
 平坦な地形のエリア(それがほとんど)でも、風上に向って何度も立ち上げ練習を
させられます。ここで初めて自分に技術が無いことを知らされます。周囲を見ると、
先輩クラブ員達がいとも簡単に機体を立ち上げています。ここでくじけてはいけませ
ん。誰でも初めは初心者です。
    

    

5.実地講習その2(エンジンユニットの取り扱い)
 モーターの取り扱い(始動・安全確認)を指導されます。現在はセルスターターが
備わったものが主流ですが、講習ではあえて手動を使用する場合があります。
 講習ではエンジンユニットのみを装着して、何度か平地を走ることになります。動
力がONの状態で走ると、後ろから想像以上の力で押されていることを体験します。
 とにかく走りづらく、人間を吊り上げる機体のテンションがないため、転ぶとかな
り危険です。スクールによってはやらせていない場合もあります。
    

    

6.実地講習その3
 (ユニットを装着した状態の機体の立ち上げ)エンジンOFF
 一番難しい講習内容です。かなりのベテランでも風向きが悪いと上手くいきません。
実は動力がON状態の方が楽で簡単なのです。背中のエンジンユニットが常に立ち上
げ動作を邪魔します。ここを克服すると、テイクオフの準備が完了します。
             

7.実地講習その4
 (ユニットを装着した状態の機体の立ち上げ)エンジンON
 動力をONにして機体を立ち上げます。ひとつ前のステップを十分マスターすると
意外なほど簡単です。ヘルメット内に装備した無線により、グランドを前進します。
そのまま小走りに走り込めば、向かい風の状態により飛び上がってしまいます。
 ここでの講習は地面に立ったまま、頭上の機体をコントロールすることにあります。
これを「グランドハンドリング」と言い、テイクオフを一発で決めるための基本中の
基本動作です。
             

         

8.フライヤー登録?
 スクールのインストラクターが「そろそろフライヤー登録してください」と言った
ら、「いよいよ空を飛べるんだ」と思ってください。フライヤー登録とは、自分の責
任においてフライトを行うという飛行宣言と、誤って他人に迷惑を及ぼした時の第三
者賠償保険への加入と考えてください。
    

    

 そうです。取得する技能証により、どちらかのフライヤー会員として登録すること
になります。両方のライセンスを取得したいのなら、両方へ登録することも勿論可能
ですが、Aさんのようにレクリエーションとしてのモーターパラ(フリーフライト)
なら、ダブルで登録しても意味がありません。登録には年間登録料がかかります。
    

    

9.初フライト
 いよいよテイクオフします。ここまでは天候状況にもよりますが、3日4日あるい
は1週間以上かかる場合もあります。はじめてのフライトは、スクールによりかなり
違った方法があります。練習生の体力や性格なども考慮されます。高度に慣れさせる
ため、タンデム飛行を講習としてを組む場合も多く見受けられます。
 単独での初フライトは飛ぶ方も飛ばせる方もかなり緊張します。まず初めに、ジャ
ンプ飛行をさせる場合があります。10m前後の高度を何度か経験させて、足が地面
から離れる感覚を慣らせます。この方法には広めのエリアが必要で、しかも地表付近
の風が安定していることが条件になります。
 もう一つの方法は一気にかなりの高度まで上げてしまうフライトです。初フライト
させられる側はかなり精神的負担がかかりますが、無線ヘルメットが普及した現在、
実際にはこちらの方がアクシデントが少ないと考えられてます。
 いずれにしても、エリアを管理するインストラクターにより、そのエリアに合った
最善の方法で初フライトが実施されます。
    

 おめでとうございます。初フライト成功です。Aさんもたいへん喜んでいます。
    

10.機体・エンジンユニットの購入?
 初フライトが終わって何度かフライトを重ねると、シューズ・ヘルメットそして、
自分の機体が欲しくなります。スクールによっては卒業するまで購入させない方針の
所もありますが、通常は講習中に機体の購入を勧めます。自分の機体に早く慣れさせ
るためです。スクールショップがディーラーを兼ねている場合が多く、ショップには
最新のエンジンユニット・機体パンフレットが常備されています。
    

    

11.学科検定
 実は学科試験もあるのです。出題される内容は、気象・航空法規・動力特性・飛行
特性・フライトマナーと多岐に亘り、30問出題されて70%の正解で合格になりま
す。21問以下の正解では再試験を受けることになります。その場合、前回出題され
た問題は一切出ません。MPGの「学科問題」はJHFホームページ補助動力委員会
サイトからダウンロードできます。【学科問題にチャレンジ】
    

    

    

12.実技検定
 「実技検定を明日やります」といって1日で終わる内容ではありません。MPG技
能証規程に記載された、機材取扱いから始まる実技科目全34項目を、すべて検定す
るとしたら何日もかかってしまいます。スクールインストラクターは練習生の日頃の
技術の習得状況を常に見ています。「この練習生はほとんど技能を習得した」と判断
された時、最後に検定という儀式を実施するのが通例です。従ってこの間、何ヶ月も
スクールに通うことになります。その長さは当然人によって異なります。スクールで
仲間と一緒にフライトすることにより、フライトルールとモラルを吸収します。技術
だけではだめなのです。人との協調性、それができない人は技能証を取得できません。
    

    

13.技能証の申請
 技能証は原則的に本人が申請しなければなりませんが、スクールがやってくれる所
もあります。どちらにしても申請してから技能証が手元に届くまで、1〜2週間かか
ります。
    

    

 これでAさんも一人前のパイロットです。
卒業後はそのままクラブに残ってフライトをエンジョイする人がほとんどです。故に
スクール選びは大切です。大勢の仲間と和気藹々フライトするのは楽しいものです。
    

    

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                           イラスト/星野 小夜子
.